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日商1級 損益計算書原則
いつもお世話になっております。 日商1級の勉強を始めたばかりなのですが、いきなり会計公準や損益計算書原則が出てきて面食らっております(*_*) さて損益計算書原則に出てくる「未実現利益」についてなのですが、具体的にどんなものがあるのかと色々調べたところ、 ある方のブログに「費用の発生主義を全面的に取り入れると未実現利益が計上される恐れがある」と書かれていました。 これはどういう意味なのでしょうか?発生費用を仮にすべて計上すれば、利益は少なくなると思うのですが…。 どうぞご教示ください。
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その方の書き込みの真意は計りかねますが、未実現利益について。 まず未実現利益を理解するには実現利益について理解する必要があります。利益の実現とは (1)客観性 (2)確実性 の二要件を満たす利益であると考えていただいていいと思います。 客観性とは対外的に立証可能であるようなことです。第三者との取引は客観性を満たします。 確実性は利益の不可逆性とも考えられ、その利益が後日取り消されたり無効となるような性質を有さないことです。 これに加え、利益には分配可能性という性質も求められますがここではいいでしょう。 さて上記の要件を満たすものが実現利益なら上記の要件のいずれかでも満たさないならそれは未実現利益です。 たとえば、「有価証券評価益」「為替差益」「本支店間の内部利益」 有価証券評価益は客観的な取引相場で認識される限り、客観性はみたしますが、後日有価証券価値の下落により損に転化するかもしれないので確実とはいえません。為替差益も同様です。 本支店間の内部利益は体外的な取引により生じたものではなく、企業内部の取り決めだけで決定された価格で本支店間における取引を行った場合に生じるものです。経営管理者によっていかようにでも操作できるものであるから、客観性を有しているとはいえません。 以上のように利益は一定の性質、要素を有することが制度的に求められているので、未実現の利益を計上することで、投資家に過剰な期待を持たせたり、惑わせたりすることが無いようにその計上が制限されています。なお企業会計原則ではそのようになっていますが、新しい基準では実現利益ではなくても実現可能性が高ければ積極的にこれを開示するようになってきています。これは国際的な要請です。
お礼
ご回答誠にありがとうございます。たいへん分かりやすく書いていただき、よく理解できました。 1級の勉強を始めると2級で学んだことの裏付けが分かり、簿記の面白さ・深さを実感しております。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。