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NMRで範囲外にあるピークが折り返して出てくるのはなぜですか?
うろ覚えなのですが、前に読んだ本で、 NMRで範囲外にピークが出ていた場合、それが折り返して出てくるか、ゼロ点から進んだ位置に出てくると書かれていたのですが、これってなぜなのでしょうか? 例えば範囲を6ppmまで指定していた場合で、8ppmにピークが出ていた場合、4ppmか2ppmにピークが出るというようなことが書かれていました。 また、このように2通りのことが起こるとしても、どちらが起こるかというようなことは何によって決まるのでしょうか? 何卒よろしくお願い致します。
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> どちらが起こるかというようなことは何によって決まるのでしょうか? FID信号を取り込む時に使われる、ADコンバーター(ADC)の数によって決まります。ADCが一個のときには折り返して4ppmのところに、ADCが二個のときにはゼロ点から進んだ2ppmのところにピークが(折り返されるというよりは、右にはみ出たピークがそのまま左から入り込んできたという感じで)出ます。 > これってなぜなのでしょうか? NMRの測定範囲は、FIDの取り込みの速さ(サンプリング速度、1秒間に何回FIDデータを取り込むか)により決まります(ナイキストの定理)。測定範囲からfヘルツだけはみ出たピークは、FID信号で言えば、ナイキスト周波数(サンプリング速度で決まる、観測可能な周波数の上限)よりもfヘルツだけ高い周波数の電気信号に対応します。この電気信号をFIDデータとしてサンプリングすると、この電気信号の周波数は、fヘルツだけナイキスト周波数より「低い」周波数を持つ信号として測定されてしまいます。本当は測定範囲からはみ出しているピークが測定範囲の中に現れてしまうのは、このためです。 > 範囲を4ppmにして10ppmにシグナルがあった場合にはこのシグナルはどこに出てくるのでしょうか? 原理的には、折り返しの折り返しとして適当な場所に出てくるはずです(ADCの数によって出てくる場所が変わります)。ですけど普通は、ADコンバーターに電気信号が入ってくる前段で、FIDの高周波成分をローパスフィルタで取り除くようになっていますので、よほど強い信号でない限り出てこないと考えていいです。 専門用語が多い割には、舌足らずな説明でごめんなさい。詳しくは実験化学講座を参照して下さい。 第5版実験化学講座 NMR・ESR 2.3.2節 FIDのサンプリングとデータ処理 pp.89-92. 第4版実験化学講座 5.NMR 1.2.3節c. FIDのディジタル化及びデータ処理 高分解能NMR pp.17-18. 新実験化学講座 3.基礎技術 2 磁気 5.1.3節c.(v) 電子計算機によるサンプリングと折り返し信号 pp.383-385.
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>範囲を6ppmまで指定していた場合で、8ppmにピークが出ていた場合、4ppmか2ppmにピークが出る 測定範囲が変わると折り返し位置が変わります。 低磁場側を8ppmまでと指定して測定した上で、書き出しを6ppmで切ると2ppm分反転して来ますから本来8ppmにあったピークは4ppmに出ると思います。 反転の理由はFTの原理に還って説明しなくてはならなず、私は間違える可能性大なので専門の方に任せます。
お礼
FTの原理によるのですか、どなたか詳しい方お願い致します。 それと思ったのですが、もし範囲を4ppmにして10ppmにシグナルがあった場合にはこのシグナルはどこに出てくるのでしょうか?出てこないのでしょうか? よろしくお願い致します。