- ベストアンサー
生殖細胞について。
『新 細胞を読む』という本に、 「その(生殖細胞)大本になる細胞が生まれるのは、発生の非常に早い段階である。つまり、受精卵が卵割という特殊な分裂を行って細胞数を増加させるそんな頃、いずれは生殖細胞になる運命を持ったものが一般の体細胞から分かれ、独自に歩みを続けていく。」 という記述があり、生殖細胞がいつ生まれるのか(例えば受精して何ヶ月目、あるいは10歳頃?など)という疑問があるのですが、いつごろなのでしょうか? また、そういったことを勉強するのに、おすすめの本があったら教えていただけると嬉しいです。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
生殖細胞の発生については動物種によって多少異なります。 モデルとしてよく調べられているものは、 マウス(哺乳類の代表として考えられています) ショウジョウバエ 両生類(主にアフリカツメガエル) です。 ほかにあえてあげるとしたら、線虫とメダカ(やゼブラフィッシュ)でしょうか。 先にあげた3つの生物では、ショウジョウバエとアフリカツメガエルは共通しているところが多いです。 それに対して、マウスは異なるところが多いです。 このマウス⇔ショウジョウバエ、アフリカツメガエル このように、これらはよく比較されます。 この共通性と異なるところを比較対照して研究は進んでいますし、 面白いところです。 ANo.1のおっしゃることはごっちゃになっていて間違いがあります。 簡単にモデル生物で説明しますと、 まず、ショウジョウバエとアフリカツメガエルですが、 この生物では卵子と精子の卵子の方ですが、このときにすでに卵のある一部分に「生殖質」と呼ばれる特殊な細胞質が存在します。 http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/biol/dbiol/ikenishi/ikenishi.html http://web.sapmed.ac.jp/HAMB/Symposia/2000Abstract-Kobayashi.html これは母親の体内で卵細胞が作られるときにできるものです。 それは電子顕微鏡で電子密度の高い構造として観察されることから発見されました。現在ではある程度その構成物質は明らかになっていますがここでは省略します。 受精後に卵割するとき、この「生殖質」を持った細胞が「始原生殖細胞」になり、発生中の体の中を移動して最終的に生殖原基(後に生殖巣になるところ)に到達して、生殖細胞になります。 一方、マウスでは、このような卵子中に特別な「生殖質」のような細胞質はありません。 では、どのようにして始原生殖細胞が出来るかというと、発生している途中である部分の細胞がシグナルを受けて分化してきます。それにはBMP4と呼ばれる因子などが関与すると考えられています。 http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/080715_Prdm1.html このように生物種によって大きく異なります。 しかし、このような違いのある生物間でも、同じようは遺伝子が関与していたりして共通な部分もあり面白いところなのです。 勉強するのにいい本は、質問者さんがどの程度専門的なことを知っていらっしゃるかわかりませんが、発生学に関する本であれば少なくとも ショウジョウバエについてはよく書かれていると思います。 まずは、細胞の分子生物学などを開いてみてください。
その他の回答 (1)
- geneticist12
- ベストアンサー率67% (701/1045)
>という記述があり、生殖細胞がいつ生まれるのか(例えば受精して何ヶ月目、あるいは10歳頃?など)という疑問があるのですが、いつごろなのでしょうか? 動物か植物かによって違うし、また生物種によって違いますが(人間のことしか頭に浮かばないのは生物学を学ぶ上では困りものなんですが)動物、特にヒトの場合を中心に言うと、 動物では、卵の中に生殖細胞質という特殊な細胞質が偏って(多くの場合、植物極端に)存在しています。ほとんどの生物で、生殖細胞質の正体はまだよくわかっていないと思いますが、ミトコンドリアやRNA、糖が多いというような特徴がみられます。 卵割によって、生殖細胞質を持つ少数の細胞と、それを持たない大部分の細胞ができます。生殖細胞質をもつ細胞が生殖細胞、持たないものが体細胞になります。つまり、生殖細胞と体細胞の運命は、胞胚期にはすでに決まっているといえます。体細胞は分化とともに全能性を失ってしまいますが、生殖細胞は全能性(すべての細胞になりえる能力。これがなければ次世代の個体は生じ得ない)を維持しなければならないので、ごく初期に体細胞と分けて、未分化の状態でお取り置きする必要があるので当然といえます。 一口に生殖細胞といいますが、卵や精子、それの元になる卵原細胞、精原細胞は当然のことながら、初期胚で生殖細胞質をもった細胞も生殖細胞で、これを特に始原生殖細胞といいます。始原生殖細胞は生殖原基にできるのではなく、もともと胚体外の卵黄(植物極)で生じ、後に生殖原基に移動します。ヒトの始原生殖細胞は、4週目くらいでは卵黄嚢の付け根付近に認められ、その後、1、2週間で生殖原基に入ります。始原生殖細胞は生殖原基ないで、雄性生殖細胞、雌性生殖細胞にそれぞれ分化していきます。 ちなみにほ乳類では、雄は精原細胞を保持した状態で生まれ、生殖期間が始まってから一生、精原細胞の分裂によって精子を生産し続けますが、メスでは卵母細胞は胎仔期のうちに、いったん過剰に増殖した後、その大部分は排除され、減数分裂の途中で停止した卵母細胞を卵巣に保持した状態で生まれます。卵母細胞は増殖せず、排卵によって減る一方ですので、一生のうちで排卵される卵の数は限られています(ヒトだと約400)。 >また、そういったことを勉強するのに、おすすめの本があったら教えていただけると嬉しいです。 図書館にでもいって、一般的な生物学の教科書、特に発生学、発生生物学の教科書を見れば書いてあると思います。
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 とても勉強になりました。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど、動物種によってかなり異なるのですね。