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OP-アンプの発振に関することに関して教えて下さい。
OPアンプは高周波帯において、出力側で位相が遅れた成分が入力側に戻ることで、ポジティブフィードバックの状態になり発振してしまう。帰還容量を増やすことによって位相余裕を増やしてやることで 発振しないようにすることが出来る。 ということに関してなのですが疑問があります。 ・帰還容量を増やすということは高周波側の成分の帰還量を増やすということに相当するわけですが、 となると帰還容量を増やすと逆に発振を促進することにはならないのでしょうか? ・コンデンサの特性として位相を送らせるというものがありますが、となるとコンデンサを経由して帰還してきた成分は90°遅れており、位相余裕が90°ほどもある周波数帯まで、入力と同じ位相になってしまい、やはり発振を促進してしまうのではないのでしょうか? ・そもそもコンデンサで入力側と出力側を繋ぐということは、帰還量だけではなく、オペアンプを経由せずに素通りしていく成分も増えることになり、この成分はオープンループゲインが0以下の周波数帯でもゲイン0で通過するのではないのでしょうか? この3点いくら考えて調べても答えが見つかりませんでした。 どなたか詳しい方がおられたら教えて下さい。 よろしくお願い致します。
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先ず前提として,外部ゲインが0dB(つまり100%負帰還)まで安定な電圧帰還型のOPアンプを対象にしているとゆうことを理解することが重要です. 外部ゲイン0dBでは不安定な電圧帰還型OPアンプ(例えばLF357とか)や,電流帰還型OPアンプでは,帰還容量を付けると発振します. また,帰還量にはレベルと位相があり,帰還容量を付けると高周波側の成分の帰還量が増えますが,位相は進みます. >・帰還容量を増やす・・・発振を促進することにはならないのでしょうか? 位相が進むために安定に100%負帰還がかけられます. >・コンデンサの特性として位相を送らせると・・・発振を促進してしまうのではないのでしょうか? 位相は進みます. >・そもそもコンデンサで入力側と出力側を繋ぐ・・・ゲイン0で通過するのではないのでしょうか? 先ず,OPアンプの入力でクランプされると共に,OPアンプ内部の寄生ダイオードで整流され,直流オフセット電圧の増加という形になります(ここの1ページ). http://documentation.renesas.com/jpn/products/linear/rjj03d0644_ha17358a.pdf 実験してみればすぐわかりますが,ゲイン0での通過は観測されません. 発振の問題は伝達関数を求めて見ればすぐわかります. OPアンプの特性や浮遊容量を含めた伝達関数は,シグナル・フロー・グラフを使えばあっという間に求まります. http://www.mogami.com/paper/sparameter/sparameter-01.html ここの「5.2 メイソンの非接触ループ法」です.
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- tance
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>帰還容量を増やすと逆に発振を促進することにはならないのでしょうか? 発振を促進しないように帰還での位相を調整しているはずです。 普通はOPアンプ内で-90度位相が回っていて、高い周波数ではさらに 位相が遅れるので、これが発振の原因となっています。帰還路で遅れる 位相を戻してやるために、帰還抵抗にコンデンサを並列接続します。 発振はループゲインが大きければ起こるという訳ではありません。 ループゲインがちょうど1のときの位相がどうなっているかが問題 なのです。 発振を抑えるために高い周波数で帰還量が多くならないようにと思い LPFを帰還路に入れたくなるのですが、これは逆効果です。位相を もっと重視して考えてみてください。 >コンデンサの特性として位相を遅らせるというものがありますが・・ 「コンデンサは位相を遅らせる」というのは大変危険な考え方です。 印加電圧に対して流れる電流は進み位相ですし、コンデンサを積分的に 使うか微分的に使うかで正反対の位相になります。 OPの帰還抵抗に並列にコンデンサを接続すると、(反転入力~GND等に 抵抗が入っている場合には)帰還路に沿う経路では電圧位相は進みます。 >オペアンプを経由せずに素通りしていく成分も増えることになり・・ これは確かにそのとおりです。OPアンプが扱えないような高い周波数 では素通りの問題が発生します。特にLPFを作ったつもりがうんと高い 周波数はLPFになっていなかったという問題は良く見かけます。 OPが扱えないような高い周波数というのは、出力インピーダンスを 低く保てない周波数、という意味です。ほとんどのOPアンプでは閉 ループゲインが1に近づく周波数では「扱えない周波数」と思って 良いと思います。 OPアンプの位相補償は、一見矛盾する要求をどうやって両立させるか というところがキーポイントです。矛盾する要求とは ●高周波でのループゲインを下げたい(つまり、LPF動作をさせたい) ●高周波での位相遅れを避けたい(つまりLPF動作を避けたい) これらを両立させるには往路の特性をいじるのか、復路(帰還路)の 特性をいじるのかを混同しないことと、一定の位相のまま、じっと我慢 するとゲインが勝手に落ちてくれる、という現象を利用するのです。 じっと我慢・・という非論理的表現はいかがなものかとも思いましたが 敢えて表現してみました。 単純な1次のCRのLPFの位相とゲインのカーブをよく眺めてみてください。 -90度のままでゲインだけどんどん落ちていくでしょう。これがキー ポイントです。
- likipon
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帰還させる部分の抵抗値が大きいほうがゲインが高くなるのはご存じの通りです. そこからすると, コンデンサを入れると高域に対するインピーダンスが減る すなわち, 高域のゲインが下がります. >高周波側の成分の帰還量を増やすということに相当する イマジナリショートを満たすためには入力電流を打ち消すだけ 出力から電流を供給します. 帰還容量が大きければ, インピーダンスが低くなるから, より少ない電圧で同じぶんの電流をもどせるわけです. 従って, 電圧出力は小さくなります.