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Nafionが固体高分子型燃料電池の電解質膜に使われる理由

固体高分子型燃料電池の電解質膜には一般的にNafionが使用されているみたいですが、なぜNafionが最も利用されているのでしょうか。 電極上でH2→2H+ + 2e- という反応が生じ、プロトンが膜中を移動していきますが、正直膜中に水分が含まれてさえいれば、別にNafionじゃなくてもいいような気がするのですが。 やはりNafion側鎖のスルホン酸基によって水を保持しやすかったり、クラスター構造をつくるからなのでしょうか。または膜の強度的な問題なのでしょうか。

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  • si1ica
  • ベストアンサー率56% (13/23)
回答No.1

商業的な理由については回答できませんが、 実験的に取り扱った体験から回答します。 プロトン伝導性が非常に高いのがNafionの長所の一つです。 側鎖のスルホン酸基からプロトンが解離するため、 膜内のプロトン濃度が高い事がイオン伝導率を高めています。 また、単位重量あたりのスルホン酸基数が同程度の他の膜よりも イオン伝導率が高く、その理由はクラスター構造によるものと思われます。 フッ化炭素高分子ですので、プロトンや電極で発生する過酸化物によって 劣化しにくいです。劣化しないわけではありませんが。 有機溶剤で溶かしたNafionは電極の触媒粉末を結着させることができます。 その際にガス、触媒表面、イオン伝導体(Nafion)が近接した 三相界面を良好に形成できます。 Nafion溶液を用いた電極は熱圧着によりNafion膜に容易に接合できます。 私見ですが、良好な電極の作成と膜との接合は 他の材料系においては発展途上で、Nafionの域に達していないと思います。 以上のようなことが思いあたります。 Nafion代替材料の開発に関する書籍文献を読まれますと、 別の視点からのNafionの長所が書かれているかもしれません。

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