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一つのメルヘン
三好達治のいしのうえは文語定型詩だとおもうのですが、中原中也の一つのメルヘンは何語何詩なのですか。ソネット形式なので定型詩なのでしょうか?
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回答No.1
答: 『甃(いし)のうへ』は文語自由詩で、『一つのメルヘン』は口語自由詩です。 解説: 文章は、「散文」と「韻文」とに分類されます。散文は詩でないとは限らず、散文詩(形式は散文で内容は詩)もあります。韻文(韻律による表現効果を主な目的とする文章)はすべて詩かというと、たとえば、 この土手に のぼるべからず 警視庁 は詩ではありません。ご存知のように、昔は詩と言えば定型詩の時代もありました。その後、自由詩が栄えて今日に至りますが、すべての自由詩が「詩の音韻的要素」を捨てたわけではありません。 自律的な韻律をもつ詩は、定型詩ではなく自由詩だと思います。「自律」とは、「他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること」(『大辞泉』小学館)です。「他からの支配・制約などを受け」ない点において、自由なのです。 『甃のうへ』も『一つのメルヘン』も韻律をそなえていますが、作者が自分で立てた規範です。 『甃のうへ』は五音や七音の美しいリズムで、伝統的な日本の定型詩と似ていますが、三好独特のものとなっています(と私は思う)。 『一つのメルヘン』はソネット(西洋の定型詩の一種)を模しています。しかし、ソネットは韻の踏み方が厳格だそうですが、『一つのメルヘン』はあまり韻を踏んでないようです。だからと言って、ソネットのできそこないではありません。 日本の定型、西洋の定型からそれぞれどう取捨選択したかに、作者の才能が発揮されています。