汎神論は哲学に似て難解で、多様な形があるので、
一概には言えませんが、極力簡単にいうと、
人間に似た人格的存在の神を否定する考えです。
もちろん宮崎監督のアニメの世界とは似ても似つかないものです。
(宮崎アニメは寓意具現が多いのでむしろ多神教的)
一切万有は神であり、神と世界とは同一であるとする宗教観・哲学観は、
英雄神的な神格を見るギリシャ神話のような世界の対極といえます。
多神教が、すべての自然現象、ひとつひとつに人格的な神の存在を置くのに対して、
汎神論は、いっさい人格的個別の存在の神を置かないのが特徴で、
人間も含めてすべてが神の内包物であると考えるわけです。
神が恣意的に世界を動かすというのではなくて、
人間も含めて宇宙全体が神を構成する一部にすぎないので、
そこには神の意思が存在しないか、
あるいは存在しても人間のレベルと遠くかけ離れている高次元的であるので、
その意思は人間が認識できる人的な意思・精神とは全く異なるというわけです。
汎神論は一神教の考えに加えて、数学的な世界観が影響してます。
一神教も、精神主義・神秘主義から離れて、世俗化して
多神教と大差ない人格を持つ”神様”をあがめ、
天使とか悪魔とか、聖人うんうんと、神様以外の神的存在を
多く求めるようになったので、その対極として哲学の世界で
神とは何か、を真剣に問うていった過程でさまざまな思考がうまれたわけで、
汎神論もそのひとつということになります。
お礼
回答ありがとうございます。 大変参考になりました。