- ベストアンサー
相続放棄した遺産から弁済を受けたい
実兄が2月末に亡くなりました。相続人は妻、その息子2人の計3人です。調べたところ多少の不動産(時価1000万円~1500万円)の他に3000万もの借金(サラ金や国金)があるのが判って3人はすぐに相続放棄の手続きはとったようです。 そこでお尋ねですが、実は亡くなった兄の妹が1000万円もの資金を亡兄に融通していたそうです(3000万円のうち1000万円が妹の貸金)。 相続人らが放棄をした今、多少でも相続財産からの弁済を受けたいのだがどういう手続きをとったらよいのだろうか。妹は今、夜も寝られず心配しています。どなたか教えて下さい。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
>第1順位者が放棄をすれば、第2、第3順位者が法定相続人になることは理解しました。第2、第3順位者も同様に放棄するとすればいつからいつまでの間に家裁への申し立てをすればよろしいのでしょうか 相続放棄申述の熟慮期間(原則として三ヶ月間)の起算点は、原則として被相続人の死亡により自分が相続人になったことを知った時です。そうしますと、第二順位の相続人は、被相続人が死亡したことを知ったとしても、第一順位の相続人全員(相談の事例では息子二人)が相続放棄をして初めて自分が相続人になるのですから、第一順位の相続人全員が相続放棄をしたことにより自分が相続人になったことを知った時が、起算点になります。第三順位者も、第二順位の相続人全員が相続放棄をしたこと(あるは、第二順位の相続人が最初から全くいないこと)を知ったときが起算点になります。 >相続人らが放棄をした今、多少でも相続財産からの弁済を受けたいのだがどういう手続きをとったらよいのだろうか。 債務超過のようですから、第三順位である御相談者や妹さんも相続放棄をして相続人が全くいなくなった場合で説明をします。説明を簡単にするために、積極財産は、不動産(1500万円)だけ、相続債務は、国金からの借り入れが1000万円(それを担保する為に、上記の不動産には債権額1000万円の抵当権が設定されているものとします。)、サラ金からの借り入れが1000万円、妹からの借り入れが1000万円とします。 相続人が全くいない場合、相続財産法人が成立し、利害関係人の請求により、家庭裁判所は相続財産管理人を選任します。仮に相続財産管理人が家庭裁判所の許可を得て不動産を1500万円で売却して、各債権者に分配するとすれば、通常、次の通りになります。(説明を簡単にするために、仲介手数料、登記費用等の経費を考慮していません。) 国 金 1000万円 サラ金 250万円 妹さん 250万円 国金は、抵当権を有し、仮にその不動産が競売になった場合、優先的に配当を受けることができるので、相続財産管理人が任意に売却する場合でもそれに従うのが通例です。なぜなら、任意で売却する場合、抵当権の抹消登記をするのが通例ですが、抵当権者は、債権の全額の弁済を受けるまで抵当権の抹消登記手続に応じる義務がないからです。サラ金と妹さんは、一般債権者なので、債権者平等の原則に従って、売却代金の残りをあん分比例で分配することになります。すなわち、サラ金の債権額と妹の債権額の割合は、1:1ですので、売却代金の残り500万円を1:1の割合でそれぞれ分配することになります。 民法 (相続の承認又は放棄をすべき期間) 第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。 2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。 (相続財産法人の成立) 第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。 (相続財産の管理人の選任) 第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。 2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければならない。 (不在者の財産の管理人に関する規定の準用) 第九百五十三条 第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の管理人(以下この章において単に「相続財産の管理人」という。)について準用する。 (相続財産の管理人の報告) 第九百五十四条 相続財産の管理人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければならない。 (相続財産法人の不成立) 第九百五十五条 相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産の管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 (相続財産の管理人の代理権の消滅) 第九百五十六条 相続財産の管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。 2 前項の場合には、相続財産の管理人は、遅滞なく相続人に対して管理の計算をしなければならない。 (相続債権者及び受遺者に対する弁済) 第九百五十七条 第九百五十二条第二項の公告があった後二箇月以内に相続人のあることが明らかにならなかったときは、相続財産の管理人は、遅滞なく、すべての相続債権者及び受遺者に対し、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。 2 第七十九条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。 (相続人の捜索の公告) 第九百五十八条 前条第一項の期間の満了後、なお相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所は、相続財産の管理人又は検察官の請求によって、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。 (権利を主張する者がない場合) 第九百五十八条の二 前条の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の管理人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。
その他の回答 (5)
- akak71
- ベストアンサー率27% (741/2672)
理論的には#5の回答通り分けるのでしょうが、 相続管財人は、確かな書類がないと妹には渡せないと思います。 親族間の貸借は慎重に処理します。通謀虚偽表示かのうせいがありますので。
- talkie(@utilityofa)
- ベストアンサー率69% (185/267)
いずれにしても相続財産が債務超過のようですから、労多くして益少ないような気は致しますが…。 ご質問を拝見する限り、亡兄さまに対する債権者である妹さまは、あくまでも相続債権者として権利を行使すればよいお話だと思われます。 このことは、先順位相続人の相続放棄によって、たまたま妹さまが相続人(の一人)となった場合でも全く影響を受けません。その意味では、ご質問のケースは、寄与分の問題ではないと思われます。 結果として相続人となった方々で、相続財産を調査・確定し、確定された相続財産から(妹さまを含む)相続債権者に弁済して、残余を結局の相続人間で配分するというセオリーは、この場合でも同じなのです。 ただ、相続財産が債務超過のようですから、相続人間で配分すべき相続財産(残余財産)が残るどころか、相続債権者へも満足な弁済ができない状況のようです。 質問者さまのご希望は、そのような中でなるべく妹さまの債権を満足させたいということですが…。 一般論を言えば、民事債権者は平等で、債務超過状態の債務者が保有する少ない財産から弁済を受けることは「早い者勝ち」ということになります。 ですから、結局の相続人間で相続財産を調査・確定して、他の相続債権者に先立って(少ない)財産を代物弁済とするなど、妹さまが弁済を受けてしまえば、事実上、妹さまが優先弁済を受けたことにはなります。 ただ、あまり露骨にやると、あとで気がついた他の相続債権者-とくにサラ金関係-が、怒って「偏頗弁済として、詐害行為だ」(民法424条)などと騒ぎ出さない保証はないことになります。そういう事態になれば、他の相続債権者は、相続財産から弁済を受けた妹さまを被告に据えて、詐害行為取消しの訴えを起こしてくることでしょう。そういうリスクもあります。 どの程度まで行くと「露骨」か。 そのへんの実務的な判断は、ネットを通じてのご相談では限界があるように思います。 金額も大きいようですから、そういうことなども考え併せると、ご質問のケースでは、なるべく早い時期に専門家(弁護士)の助力を得ておいたほうが良いと思われます。
お礼
ありがとうございました。実際的な立振る舞い方まで回答下さり大変参考になります。さぁこれからどうするか。どうせ貸したお金も取り戻せないなら(お金をかけて)弁護士さんに相談しても仕方ないですね。 よく考えてみます。
- kirara70
- ベストアンサー率20% (5/25)
相続放棄とは「相続人の立場を辞退」することですので、妻、息子2人 は、最初から相続人ではなかったとみなされます。 従って、相続人が異なってきます。例えば、実兄のご両親がご健在ならご両親に、ご健在でなければ、兄弟姉妹が法定相続人になります。 もし、兄弟姉妹が法定相続人になった場合、妹さんのように、故人の 生前の財産形成に貢献した人は、貢献度に応じて、財産を多めに相続 することが出来る「寄与分」という制度がありますので、相続の際に寄与分を主張される事をお勧めいたします。 また、ご両親が相続される場合でも、ご両親に対して、妹さんが ご自分の貢献度を話されて、ご両親から、幾らか頂くという方法もあります。
お礼
ありがとうございました。第1順位者が放棄をすれば、第2、第3順位者が法定相続人になることは理解しました。第2、第3順位者も同様に放棄するとすればいつからいつまでの間に家裁への申し立てをすればよろしいのでしょうか(やはり3ケ月以内だとすれば殆ど熟慮期間はない)。 もう1点、第3順位者の妹が、1000万円の債権を被相続人に対して持っていた場合、ご指摘のように「寄与分」としての主張にするのか、遺産総額から債務の弁済を優先すべきとの主張にするのか、債権者たる妹としてどちらが有利なのでしょう。また論理的に正解なのはずれなのでしょうか。よろしければお教え下さい。
- oska
- ベストアンサー率48% (4105/8467)
>多少でも相続財産からの弁済を受けたいのだがどういう手続きをとったらよいのだろうか。 仰るとおり、実兄の相続は配偶者とその子供2人の計3人ですね。 しかし、義理の姉・甥っ子は相続放棄の手続きを取った。 妹は、相続には関与する資格が無い。 結果、亡兄の財産(不動産+借金)は国が管理する事になった。 一般的な手続きですが・・・。 裁判所で「亡兄の債権者」を調査し、亡兄の資産を債権者に配分します。 (兄の現住所管轄の家庭裁判所掲示板に、いついつまでに債権者は名乗り出る事との張り紙がでます) 亡兄に対する合法的な債権がある証明・証拠(金銭消費貸借契約書)を持って、裁判所に出頭して下さい。 亡兄の不動産を競売に掛けた後で、債権額の割合で競売代金を配分します。 国金からも借入があるとの事ですから、不動産には抵当権が設定している事でしよう。 国金は、間違いなく単独でも競売手続きに入ります。 この場合でも、妹の亡兄に対する債権を確定する必要があります。 相続放棄は、家庭裁判所に申立を行ないます。 妹も、最寄の家庭裁判所ので相談する事をお勧めします。 費用は無料です。 今回は、亡兄に対する債権者の一人として参加する必要がありますよ。
お礼
ありがとうございました。ご親切な叙述でよくわかるのですが、基本的な出発点のところでANo.3さんの回答と真向異なります。 貴殿の説明は、相続人不存在の場合の説明として伺えば満足のいくものです。
法定相続人の方々は、相続放棄されたのですよね?? それなのにどうして相続財産があると書かれているのでしょう??
補足
放棄したからといって遺産が消滅するわけではないでしょう。積極財産は厳然として存在しているのです。
お礼
ありがとうございました。小生の疑問にトコトン答えて下さいました。しかも具体例で。それに法的な根拠も。満足いたしました。