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商法・会社法について

質問させてもらいます。 例えば・・・ (1)A会社が地域の祭りに10万円の寄付をした場合、会社法上何か問題になってしまうのか? (2)A会社の取締役のBは会社の資金を使って株式投資を行い、数千万の損失を出してしまった。ところが、会社としてはBに対して損害賠償責任を問わないという。この場合A社の株主としてはどのような方法でBの責任を追及することができるのか? といった問題です。 もしよろしければお考えを頂けるとありがたいです。 よろしくお願いします。

みんなの回答

回答No.3

回答としては、No.1の回答者がご指摘の通りです。 補足すると... (1)について 会社は、営利社団法人ですから、少なくとも会社の利益=株主の利益にならない行為をすることは、会社に損害を与える行為=株主に損害を与える行為です。 取締役は、会社から委任を受けた者ですから(会社法330条)、会社に対して全管注意義務を負います(民法644条)。また、会社に対して忠実義務を負います(会社法355条)。 したがって、全く見返りのない「10万円の寄付」は、全管注意義務にあたり、取締役に損害賠償義務が生じる可能性があります(会社法423条)。 もっとも、会社の定款に「地域文化の発展に貢献すること」などの規定がある場合には、社会通念上相当と考えられる範囲を逸脱しない限り、寄付も会社の目的の範囲内とされます。したがって、このような場合には損害賠償義務は発生しません。 ------------ なお、「津地鎮祭訴訟」というのは、地方公共団体(津市)が体育館を建設するに当たって地鎮祭を行うのに出費をした行為が、憲法上の政教分離原則違反に問われた事件です。会社が宗教的活動に寄付をすることとは、なんの関係もありません。 「会社の目的」との関係でいえば、No.1の回答で指摘されている最高裁昭和45年6月24日判決(おそらく、「八幡製鉄政治献金事件」大法廷判決をさしているものと思われます)が適切です。 ------------ (2)について 必要と思われる条文は、すべてNo.1の回答者がご指摘の通りです。 ほかに論点があるとすれば、いわゆる「経営判断原則」があります。すなわち、そのような経営判断を行うことが、一般的・平均的企業人であれば不合理と思われないような事情がある場合には、取締役には責任が生じない、という判例法理です。 具体的には、市場調査を行ったか、複数の投資専門家に裏付けをとったか、損害防止措置を講じたか、その他に損害を回避できる可能性はなかったか、などを考慮することとなるでしょう。 ----------- なお、「特別背任罪」というのは、「取締役が会社の金を自分の食い物にした」というケースを想定しているものであって、「会社のために無謀な株式投資をした」場合まで問われる罪ではありません。 ----------- *私も、会社法の専門家ではありませんが、はっきり言って、「ちょっと法律をかじったくらい」で理解できるような簡単な法律ではありません。

  • ssttii
  • ベストアンサー率45% (10/22)
回答No.2

こんばんは。大学で法律をかじる程度に勉強している者です。 少しでもお手伝いできればと思い書かせていただきますね。 (1)A会社が地域の祭りに10万円の寄付をした場合、会社法上何か問題になってしまうのか? 全く問題ないと思われます。例えば、国会議員が神社などのお祭りのために金銭等を寄付する行為は、憲法20条に定める政教分離原則に反し禁止されますが、私企業(会社)においては、なんら問題ないと思われます。※企業の話とは多少それてしまいますが、ご参考までに『津地鎮祭事件』という行政訴訟についてリンクをはらせて戴きます。 (2)A会社の取締役のBは会社の資金を使って株式投資を行い、数千万の損失を出してしまった。ところが、会社としてはBに対して損害賠償責任を問わないという。この場合A社の株主としてはどのような方法でBの責任を追及することができるのか? この場合、Aの株主は、当然にして、損害賠償請求という方法でBの責任追及ができるのではないでしょうか。 会社法の第960条1項(取締役等の特別背任罪)によれば、 『(前略)自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を与える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときには、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。』とあります。 この条文に明記されているように、Bを責任追及し、裁判で勝訴しようと考えるならば、『自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を与える目的で』という動機部分が重要になってくると思われます。 ※知識のあいまいな点や言葉足らずな点はご容赦ください。  少しでもご参考になれば幸いです^^。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E5%9C%B0%E9%8E%AE%E7%A5%AD%E8%A8%B4%E8%A8%9F
step-fit
質問者

お礼

ご返答ありがとうございます。 僕は商法を勉強したばかりなものでして、1人で考えるのにも限界があると感じ、質問させてもらいました。 おかげで方向性を見出す事ができ助かりました。 ありがとうございます。

  • 17891917
  • ベストアンサー率75% (490/652)
回答No.1

条文,論点・ヒントのみ指摘します。 問(1)について  まず,「地域の祭りに(10万円の)寄付」を意味づける。  たとえば,「慈善事業」と意味づけた場合の論点↓ □会社の権利能力:民法34条(旧43条) □会社法3条→会社は営利社団法人か?→同法105条1・2項から営利社団法人 □営利社団法人の営利目的:少なくとも損をしないことを意図して,得られた利益を構成員に分配すること。 □営利社団法人たる会社の権利能力:「目的の範囲」の意味 →参考判例:最高裁昭和45年6月24日判決 □慈善事業は目的の範囲か →参考判例:最高裁平成14年4月25日判決 問(2)について ●「A会社の取締役のBは会社の資金を使って株式投資を行い、数千万の損失を出してしまった。」 □取締役の義務:会社法330条-民法644条,会社法355条 □取締役の会社に対する損害賠償責任:423条1項 □解任:303条・304条→339条 ●「会社としてはBに対して損害賠償責任を問わないという。この場合A社の株主としてはどのような方法でBの責任を追及することができるのか?」 □損害賠償請求:847条 □解任:854条