小泉内閣で進められた規制緩和は、そういった国家の将来を指し示す方向性やビジョンがなく場当たり的に行われ、結果 権力の座の周辺は大きな利を得るがそうでないものはどんどん社会的に追いつめられる制度がどんどん進められて行きました。派遣関係にもそういった一面があります。
例えば、デンマークなどでは企業活動を活発化させるため労働の法体系が企業の負担にならないようにと、人材の流動性を活発にするためにと、リストラなど一連の事柄を自由に行えるように大幅な規制緩和を行いました。そして同時にそこから生まれる失業問題への対応にと、関連するセイフティーネットを盤石なものにし、失業期間の手厚い保証や再教育制度を作りました。
一方小泉内閣では、企業活動を活発化させるため労働の法体系が企業の負担にならないようにと規制緩和が進められましたが、同時にセイフティーネットを規制緩和と称してどんどん穴だらけにしました。労働環境はどんどん悪化し社会不安を増長させ、今では大企業の正社員が既得権益となり企業役員は利権の巣窟となってしまっています。最近では自民党の広告宣伝として再教育制度などがと~っても小さな規模でに行われていますが、思いつき程度であり自民党周辺でしか効果を発揮しないでしょう。
企業に厳しい労働基準をかして、失業などの問題は民間企業に任せるようにすれば、基本的に労働問題は企業が担っているので国は国費を最低限度を投じるだけですみます。以前は基本的にこれでした。
一方で企業には労働問題などに関する規制は最低限度のものとし、リストラなども自由に行えるようにするとなると、多くの失業者が生まれるのでそこへは国がセイフティーネットをしく事となるので、多くの財源が必要となるため国民の税負担は高くなります。
現在の日本の労働体系はその多くをアメリカのものを模倣したものです。アメリカは人材の流動性は非常に活発であり30歳になるまでに平均40ほどの職業を経験するそうです。アメリカの場合国によるセイフティーネットは薄いですが、キリスト教を中心とした宗教組織がこの辺の事を積極的に行っておりその点が日本と大きく異なる点です。
そのため日本がこのままアメリカの猿真似を続けると、より酷い状況となってしまうでしょう。
結局、以前から言われていたようにどういう方向で行くのかのビジョンが示されず、おまけに政治家が自分たちで通している法律がなんであるかも理解しないまま、思いつき程度に進められた政策の結果おかしな事になっているという状態でしょう。