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毛細管現象と表面張力について

毛細管現象のことで悩んでいます。教えてください。 テーパの付いたストローの中に、水(水玉)がある状態を想定します。一般的な毛細管現象の理解では、水は管路の狭いほうに移動すると思います。ですが、一般的な表面張力の式では、壁面が水を引っ張る力は、F=Tcosθ*2πr と書かれています。ここでTは表面張力、θは接触角、rは固液界面における管路半径です。これを見ると、テーパの広い側にある固液界面での引っ張り力のほうが、狭い側にある固液界面での引っ張り力より大きいことになり、水は管路のより広いほうに進むように解釈できます。このような矛盾はなぜ起こるのでしょうか。すみません。どなたか教えていただけると大変助かります。どうぞよろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • jamf0421
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回答No.5

まず質問者さんの式の問題ですが、F=σcosθ*2πrとあります。(すみませんが表面張力をσと書く例が多いのでσと書かせてもらいます。)これが言わば壁が水を引っ張り上げる力であるのはその通りです。元は単位長さ当りでσcosθの力で引っ張りますからこれを円周全体で合計して2πrσcosθが全体の引っ張る力です。これに対して抵抗する力があるからメニスカスが留まります。それは内外の圧力差です。内外の圧力差をΔPとすれば、それに断面積をかけた値、πr^2ΔPがこれにあたります。 すなわち πr^2ΔP=2πrσcosθ が力の釣り合いです。これより ΔP=(2σ/r)cosθ を得ます。これが半径rの毛細管の力の釣り合いですが、これはまさにラプラスの式、即ちΔP=2σ/Rです。曲率半径がRの円を、壁面との接触角θとなるように描いて見て下さい。文章で書くと却ってわかりにくいので書きませんが、Rcosθ=r、つまりcosθ/r=1/Rなることはご理解頂けると思います。ですから質問者さんの書かれた式とラプラスの式は当然結びついています。 そしてコーンについてこれと同様の計算をすれば、頂点から底面へ向かう方向についての力の釣り合いが ΔP=(2σ/r)cos(θ-φ) ですし、底面から頂点へ向かう方向の力の釣り合いが ΔP=(2σ/r)cos(θ+φ) となるということです。コーンの壁面に接触角θで交わる曲率半径rの球面(図で考察するなら円)を描いている頂ければご理解できると思います。 頂点側も底面側も大気圧でしたら、水側はそれよりも低い圧ですが、その圧が、コーンの頂点側と底面側で違っていては力の釣り合いが取れません。 もし取れるとしたならば、No3の回答で書きましたが(そこでまたσを書き忘れていました)、 頂点側から押す力;f1=2πσR1cos(θ-φ) 底面側から押す力;f2=2πσR2cos(θ+φ) が等しくなる条件 R1cos(θ-φ)=R2cos(θ+φ) のところです。ものによってはこれで釣り合って止まる場合がありえます。しかし、容易に分かるようにたとえば壁が圧倒的に親水性でθがゼロならば、cos(-φ)=cosφですから、テーパでR1<R2ですからf1<f2となります。こうなると径の小さい方へ水は押されます。そして接触角が大きくなったような状態でかろうじて力の釣り合いが取れる筈です。 血流や木の水については素人ですのでなんとも申せませんが、血液は心臓のポンプの役割が大きいかとも思います。木については、水が毛細管上昇で上れる高さは管の太さが一定ならばNo4さんの回答の通りです。管が細ければいくらでも高く上がれる式ですが、表面張力が使われる式ですので分子レベルの大きさの管に適用するは無理があると思います。また木の中の水の上昇の説明が毛細管現象が本質とされているのかどうか(たとえば浸透圧などはどう考えるのか)などは全く存じません。生物のご専門の方に聞かれた方がよいかと思います。

その他の回答 (5)

  • jamf0421
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回答No.6

曲面の両側の圧力差は要するにラプラスの式ΔP=2σ/Rで決まりますが、この曲率半径について補足します。 Rは任意の曲面では、直交する二つの線の曲率の逆数の和をつかいます。これは結局二つの主曲率半径の逆数の和に等しくなります。即ち、 2/R=1/R1 + 1/R2 ΔP=σ(1/R1 + 1/R2) です。 球面の場合二つの主曲率半径が等しいので2/Rとなっているのです。たとえばラグビーボールの胴体の部分の二つの主曲率半径は、長軸に垂直な面切ったときの断面に出る円の半径と、長軸を含む面で切ったときの断面に出てくる曲線の曲率半径になります。 平行な2枚の板があった場合、一つは平行板に直角の面で切ったときに現れる部分円の半径、もう一つは平行板に平行な面で切るのですが、これは曲率半径∞になります。従って、平行板の間の水の場合の空気側と水がわの圧力差は ΔP=σ(1/r + 1/∞)=σ/r となります。 板の角度がαの場合も計算原理は同じはずです。No4さんは断面が双曲線とお書きになっていましたが、双曲線ですと曲率半径が一定にならず、板からの距離に依存しますので、水の側の内圧が場所によって違うことになり平衡にならないのかと思うのですが... またαの小なる極限は平行ですが、これでθがゼロに近いと双曲線の水面では異常にへこむような気がするのですが...

methodolog
質問者

お礼

ご丁寧な回答、どうもありがとうございました。まだ多少の疑問は残りますが、おかげさまでおおよそクリアになりました。本当にご丁寧な回答で、頭の下がる思いです。またどうぞよろしくお願いいたします。

  • htms42
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回答No.4

テーパのついた状態というのがよく分かりませんので普通の中空円筒状のもので考えます。 表面張力で内部の液面がh上に上がってつりあっているとします。円筒内部の半径をrとします。 壁面が水を引っ張る力は F=2πrTcosθ です。 これが管内部の水の重量とつりあいます。 2πrTcosθ=(πr^2)hρg です。 2Tcosθ=rhρg となります。左辺は一定ですからrとhは反比例です。 円筒ではなくて2枚のガラス板を角度αで張り合わせた場合でも同じように考えることが出来ます。ガラス板の間の液面は双曲線の形になります。 御質問の内容に合いますでしょうか。

  • jamf0421
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回答No.3

すみません。あわてて計算し、cosの項を2重に掛けてしまいました。わけのわからないことを書き混乱をまねきましたことをお詫びして訂正します。 「ΔP=(2σ/Ra)cos(θ-φ) となります。σは水の表面張力です。Raは界面の曲率半径で、その場所でコーンの軸に垂直に切った面にでる円の半径をR1とした時、Ra=R1/cos(θ-φ)の関係があります。」 と書きましたが、2σを曲率半径Raで割ったものが圧力差ですから、圧力差は ΔP=(2σ/R1)cos(θ-φ) が正しいです。ここでR1は断面の半径です。 同じく底面がわでは ΔP=(2σ/R2)cos(θ+φ) です。 それぞれに断面積をかけると 頂点側からの押す力;2πR1cos(θ-φ) 底面側からの押す力;2πR2cos(θ+φ) です。両者が等しくなるところが釣り合いの点です。

methodolog
質問者

お礼

ご丁寧な回答、ありがとうございます。とても勉強になります。心から感謝申し上げます。 さて、上記のご回答ですが、私は、毛細管現象というのは、管路の狭いほうに水はどんどん進み、どこかで釣り合うということはないものと思っていました。木の中を水がどんどん登って先端まで達することや、人間の血液が細部にまで行き渡ることを考えましても、「釣り合いの点」というのはないように思っていたのです。どこかで釣り合うことを前提とすると、少しイメージが変わってきます。もしよろしければご教示下さい。 また、しつこいようで大変恐縮なのですが、やはり最初の質問での、いわゆる「表面張力の式 F=Tcosθ*2πr」で考える力の概念は、どこに行ってしまうのでしょうか。ラプラス圧の釣り合いを考えるときには、この表面張力の式での力は考える必要はないのでしょうか。すみません。そのあたりの整合性もご教示いただけますと大変ありがたいです。 申し訳ありません。何卒よろしくお願いいたします。

  • jamf0421
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回答No.2

曲率Rを持った界面の間の圧力の差は、ラプラスの式で表されます。 ΔP=2σ/R 曲面の内側の方が圧が高くなっています。この式は断面の法線方向の力関係にもなっています。質問者さんの系ではRはテーパの内側で接触角θで接するように選ばれます。 テーパを延長しコーンを考えます。コーンの先端の断面は三角形ですが、頂角を2φとします。コーンの頂点方向から底面側にへこむ面での力の釣り合いは、図を描けばわかりますが、 ΔP=(2σ/Ra)cos(θ-φ) となります。σは水の表面張力です。Raは界面の曲率半径で、その場所でコーンの軸に垂直に切った面にでる円の半径をR1とした時、Ra=R1/cos(θ-φ)の関係があります。 一方コーンの底面方向から頂点側にへこむ面での力の釣り合いは、 ΔP=(2σ/Rb)cos(θ-φ) となります。Rbは界面の曲率で、その場所での断面の円の半径をR2とした時、Rb=R2/cos(θ-φ)の関係があります。 結局、頂点側では外圧に対して内圧は ΔP=(2σ/R1)(cos(θ-φ))^2 だけ低く、一方底面側で外圧に対して内圧は ΔP=(2σ/R2)(cos(θ+φ))^2 だけ低いことになります。 これらに断面積を掛けたものがコーンの軸に沿って押す力ですから釣り合うところは R1(cos(θ-φ))^2=R2(cos(θ+φ))^2 となるはずです。 (すみませんが、図を書いて原理に基づいての計算をお確かめ下さい。)

  • okormazd
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回答No.1

Fはrに比例しますが、引っ張りあげなければならない水の体積(質量に比例)はrの2乗(断面積)に比例するでしょう。結局、引っ張り上げる力は単位質量あたりでは、rに反比例することにならないですか。 で、 rが小さい方が単位質量あたりの力はおおきい。

methodolog
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。すみません。私の説明が不足していました。ストローは横向きと考えてください。ですので、重力の影響はなしです。その場合はどうなるでしょうか。現象としては、水はやはり管路の狭いほうに行くと思うのですが、これは表面張力の式と矛盾しませんでしょうか。

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