【統計】有意に「高い」?「低い」?
以下のような場合、「有意に高い」というのか「有意に低い」というのかどちらなのでしょうか?
(例)
9名のマラソン選手にマラソン走行前後で、気分の明るさを1~10の10段階で回答してもらうアンケートを実施し、以下のような結果を得たとします。
(走行前)→(走行後)
Aさん:9 → 10
Bさん:8 → 9
Cさん:8 → 9
Dさん:7 → 8
Eさん:6 → 5
Fさん:3 → 4
Gさん:2 → 3
Hさん:1 → 2
Iさん:1 → 2
次に、走行前と走行後のデータ群に統計学的な差があるかを調べるために検定を行います。ここではデータが順序尺度なのでWilcoxon符号付順位和検定を行います(α=0.05)。
結果、p<0.05(0.039)で走行前後のデータ群は有意に異なるという解析結果が得られます。
分からないのはここからです。
走行前と走行後の中央値は、走行前:6, 走行後:5 で、走行後の方が低いです。
つまり走行前よりも走行後の方が「有意に低い」という解釈をするのでしょうか?
しかし、走行後に低くなっているのは1名のみで、残り8名は上昇しています。
つまり走行前よりも走行後の方が「有意に高い」という解釈をするのでしょうか?
有意差検定は「異なる」ということを示しているだけで「高い」「低い」を言っていないのは分かります。そうではなく、解釈をどうすべきか分からないので教えて下さい。
宜しくお願いします。
補足
統計学について何の知識も持たない私に対して、この様な詳細な御回答ありがとうございます。 ちなみに、私が本の中で見た統計学における有意性について「経済学者は、統計学における有意性を誤解して認識し、その数値にのみ着目した結果、どれくらい大きければ大きいと言えるか、という問いには答えていない」という趣旨の批判をしていました。