No.6のものです。
>A7とBとで交配可能なのであればB31とB32の間で交配不可能になったのかもしれない。しかし、かならずA→Bになりもはや交配不可能の別種というのであればその分岐点は必ずあるはずです。
分岐点は必ずあるはずです、というのが思い込みで、分岐点はありません。
まず「種」の区別は「交配不可能であること」によって為されます。これは生物学上の定義です。(但しこの定義に異を唱える学者がいることも付記しておきます。)
但しここでいう「交配不可能」というのは「生殖活動ができない」事と、「生殖活動はできるが、子孫には繁殖能力が無い」事の両方を含みます。この、「生殖活動はできるけど、子孫には繁殖能力が無い」というのは大事ですので、覚えておいてください。
下の方のご回答で、狼と犬は交配可能ですよね、という話がありましたが、いわゆるオオカミとイヌは、どちらもネコ目イヌ科イヌ属に属し、生物学的には同種です。(もちろん細かい形質の違いはありますが、これは亜種として扱われます。「亜種」という区別は、生物学者達が議論の便宜上作った慣習的な概念で、明確な定義があるわけではありません。)
>X→Y→r→、→無
この、と無との間が交配不可能という時点です。
xという種と無という種が現存するということは
必ず分岐点があるはずですよね。
違います。
XとYは交配可能。
Yとrは交配可能。
rと、は交配可能。
、と無は交配可能。
でも、Xと無は交配不可能なのです。
「交配可能」や「交配不可能」という言葉を、無意識のうちに「=」や「≠」に脳内で変換していませんか?
確かに、(X=Y)かつ(Y=r)かつ(r=、)かつ(、=無)であるならば、論理的に「X=無」と帰納され、「X≠無」は矛盾、となります。質問者様の疑問はもっともだと思います。
ですが現実は、Xと無が交配不可能となって初めて、別種として認定されます。
例えば・・
Aというタンパク質があるとします。このタンパク質は体外から取り込むことはできず、かつ生き物にとって必要不可欠なタンパク質だとします。従って生き物は、このタンパク質を体内で合成しなければなりません。
ある生き物Pは、タンパク質Aを合成する回路を3つ持っているとします。
Pの子孫P1が産まれたとします。P1は遺伝的変異により、Aを作る回路のうち、2つは持っていますが、1つは失っています。この状態では、PとP1は(他の部位で遺伝的な変化がない限り)交配可能です。何故ならPとP1の子孫は、タンパク質Aを合成できると考えられるからです。
P1の子孫P2が産まれたとします。P2は遺伝的変異により、P1が持っていたタンパク質Aの2つの合成回路のうち、1つを失っています。その代り、全く新たな方法でタンパク質Aを合成できるとします。この場合、PとP2、P1とP2は交配可能です。何故なら、それぞれの子孫はタンパク質Aを合成できると考えられるからです。
P2の子孫P3が産まれたとします。P3は、P2が持っていたタンパク質Aの2つの合成回路のうち、P由来の回路は失っていますが、P2で新しく生まれた回路の方は受け継いでいます。
この場合、P3とP2は交配可能です。何故なら、P3とP2はタンパク質Aを合成する回路を共有しているので、その子孫もタンパク質Aを合成できるからです。でもP3とPは、回路を一切共有していないので、その子孫はタンパク質Aを合成できません。よってP3とPの交配は不可能です。より正確にいえば、「P3とPは生殖活動はできる、しかしその子孫には繁殖能力がありません。」
具体例は以上です。
先の例でいえば、XとY,Yとr、rと、,、と無の関係は、=ではなくて≒です。XとY、Yとr・・の間の相違はとても小さくても、Xと無の間の違いとなると、生殖不可能なほど大きくなります。
こんな説明でご理解いただけますでしょうか?
当方生物学が専門ではなく、実は法学が専門の人間なのですが・・私も進化論には興味があるので、ちょっと横やりを入れさせていただきました。
お礼
一見、揚げ足取りや言葉遊びのように感じられるにもかかわらず つきあっていただきまして、 いろいろありがとうございました。 個人的にとてもすっきりしました。