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穀物価格とバイオ燃料
米国等で穀物を主原料とするバイオ燃料の普及を推進したために穀物価格が急上昇し、それによる食糧不足が懸念されていると聞きます。 ですが、「バイオ燃料の原料になるから、今トウモロコシを作れば高く売れる」ということが農業経営者たちの間に広まれば、皆こぞってトウモロコシを作るようになり、結果としてそのうち価格は下がってくるように思うのですが、この考えは間違っていますか? 私は農業に関しては良く知らないのですが、トウモロコシも植物ですから、皆が一斉に作り始めても実際に収穫されるまではかなりの間があるのだろうと思われます。ここ最近の高騰はそのタイムラグのせいで起こっているのではないのですか? 原油と違ってどんどん作ることが可能なのですから、燃料としてはかなり有望に思えるのですが、これも間違った認識でしょうか? よろしくお願いします。
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工業製品なら売れるものを増産するのは簡単ですが、農作物では 耕作地の面積が大幅に増えるということがありません。また、それ ぞれの作物に適した気候や土壌があるので、小麦や米をやめてトウ モロコシに変えるということが簡単にはできないのです。 ただ、食用トウモロコシをバイオ燃料用トウモロコシに転換する ことは難しくありません。しかも現在、バイオ燃料用のほうに米政 府から補助金が出ますから、農家は食用の作付けを減らしバイオ燃 料用を増やしています。これが食用トウモロコシ高騰の主因です。 農業専門家のあいだでは、米国がバイオ燃料用への補助金をやめ、 ブラジルから輸入されるバイオエタノール(サトウキビが原料)に かけている関税を撤廃すれば、トウモロコシ価格は下がるという 見方が一般的なようです。 > 原油と違ってどんどん作ることが可能 バイオエタノールだけに着目すれば、その通りです。しかし作物 全体で見ると、収穫量は耕作面積に依存します。どんどん作ることが 可能ならそもそも、食糧不足は発生していませんよね。人口の増加に 農業生産量が追いついていないのが現状です。 ただ、各国政府が自国の農業に補助金を出すことをやめれば、 発展途上国での農業生産高が増え、食糧問題は解決に向かうと いう説も有力です。政府から補助金をもらえない多くの工業生 産物では、途上国に現地工場を作って生産コストを下げています。 これと同じことが農作物で起きれば、技術と資金のある先進国が 途上国で農地開発や灌漑設備の充実、最新農具・農薬の導入を 推進し、生産効率が大幅に上昇すると考えられています。
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- pluto003
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現在のトウモロコシなどによるバイオエタノール政策はとんでもない社会不安を招く政策です。 トウモロコシ畑では到底補いきれないほどの二酸化炭素吸収力を持つジャングルなどの森林伐採が、アメリカのバイオエタノール政策を切っ掛けにどんどん進んでいます。このためこれらが進む事は極めて不合理です。また一度切り開いてしまうとそう簡単に元の森林に戻す事は出来ません。 現在のアメリカのバイオエタノール政策では、石油を使ってバイオエタノールを作っており、精製されるバイオエタノール分のエネルギー以上の石油を使用しバイオエタノールが作られており全く意味をなしていません。 そして大きな問題点として地球上での穀物生産が頭打ち傾向にある事です(ジャングルなどをトウモロコシ畑にするような不合理を勘案しての意味合いを含めてでの話です)。そのため食料問題の面からは保存技術や"もったいない"の考え方などからの、廃棄食品を出来るだけなくすかたちでの合理化が重要だと言われています。 これらの状況から、バイオエタノールは相当効率が上がらなければこの政策はアメリカなどの大規模農業の生産者の利益に繋がっても、環境問題、エネルギー問題、食料問題に対しては有害以外の何者でもありません。 日本ではホンダなどの企業を中心に、食料以外からのエタノール生産の技術が発見されましたが、精製コストの面から現在はまだ市場投入の段階へは至っていません。 しかし米国などでトウモロコシからのバイオエタノールで製造ラインが普及し、石油が更に高騰したとき、石油1に対しバイオエタノール0.99前後という状況になって市場が出来上がってしまうと、数十年間、不合理なバイオエタノール生産が続いてしまうという事態になりかねない状況です。 バイオエタノール政策開始直後から言われていたように、この未熟な技術は早く凍結すべきです。
お礼
>バイオエタノールは相当効率が上がらなければこの政策はアメリカなどの大規模農業の生産者の利益に繋がっても、環境問題、エネルギー問題、食料問題に対しては有害以外の何者でもありません そうなのですか…手放しで喜んでしまった自分を恥じます。 ありがとうございました。
- code1134
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(この題に関しては種々の切口があろう、と思われますが、枯渇に直面するのが必至な!?)原油類の場合、海底からも採掘可ですし、現にブラジルで海底油田発見との報道(http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080424/154139/ )もなされてはいます。 これに対して「トウモロコシ(や他の穀物)類の場合は海底のみならず、海上での作付が絶対不可能との脆弱性がありますし、例え高収穫品種の場合でも旱魃や害虫等の好事魔が結構多い傾向も否定し難いでしょう。 ですから、この面で仮に、最終段階だけ取出して、CO2の排出量が少なくなる可能性が高いとしても、中間段階等も含める時トータルではさして、プラスに作用しないリスクは孕むのかも知れません。 又、そのカラクリはNO6さん他が触れておられますが「排出量削減により、地球温暖化が防げるなら、餓死に見舞われる地域が特に低所得の発展途上諸国で発生しても仕方ない事なのか?」との点は出来る限り、道義的にも回避すべき課題となってくると思うのです。 少なく共、この様な事態は私の嗜好と相容れぬのを明示して、今回の拙いカキコみを閉じます。失礼致しました。
お礼
>排出量削減により、地球温暖化が防げるなら、餓死に見舞われる地域が特に低所得の発展途上諸国で発生しても仕方ない事なのか? 仕方がないわけはありませんよね。大問題です。 ありがとうございました。
- rx78ns00k2
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資料数が多いので読み応えがありますが、リンク先を読む事がこの問題の理解を深める為に適していると思っています。 http://www.maff.go.jp/j/study/syoku_mirai/index.html
お礼
ありがとうございます。 早速読んでみます。
- ikegonomor
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> トウモロコシも植物ですから、皆が一斉に作り始めても実際に収穫されるまではかなりの間があるのだろうと思われます。ここ最近の高騰はそのタイムラグのせいで起こっているのではないのですか? そうです。で、その将来に収穫されることが予想されるモノが対象としている取引を扱う先物市場で、価格が高騰しているわけで、背景には金あまり現象で肥大した投機マネーで、金融経済が実体経済とかけ離れた破綻寸前のギャンブル経済になっている問題があります。 > 原油と違ってどんどん作ることが可能なのですから、燃料としてはかなり有望に思えるのですが、これも間違った認識でしょうか? そういうわけにはいきません。農業もまた地球の自然に依存した人間活動ですから、作付け面積などには限界がありますし、農業従事者も限られています(とくに先進国では、国が保護政策をとらない限りどんどん減って行きます)し、元から世界規模では食糧は決して足りていなかったのです。 ちなみに農作物を使ったバイオエタノール自体には、二酸化炭素排出量を減らす効果はありませんし、現実には原料となる穀物の移動と生産過程で、かえって二酸化炭素排出量が増えることになります。まあいかにもアメリカで考えそうな単純化した発想だったわけで。
お礼
>元から世界規模では食糧は決して足りていなかったのです。 それでは優先されるべきものではないですね。 >まあいかにもアメリカで考えそうな単純化した発想だったわけで。 ううむ。やはりエネルギーに関する諸問題は一筋縄ではいかないのですね。 ありがとうございました。
- twilight77
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今、穀物価格が高騰しているのは、バイオ燃料の普及推進だけでなく、干ばつ等の不作や、アメリカのサブプライムローンの崩壊で次の行き場を探していた投機資金が流入したというのも原因の一つです。 バイオ燃料の原料としてトウモロコシが増産されていますが、これは新規に畑を作って増産しているのではなく、食料用トウモロコシや小麦、大豆等の畑を転作してバイオ燃料用トウモロコシを作っているに過ぎず、いわば食料用穀物を削ってバイオ燃料用に回しているようなものです。 ですから、バイオ燃料用トウモロコシは将来的に価格が下がるかもしてませんが、食料用トウモロコシや小麦、大豆等の食料用穀物は転作で生産量が減ったうえに、上記した干ばつや投機資金の流入、中国等の大人口国における需要増大予測によって逼迫感が出たことなどから高騰しているのです(逼迫感から危機感を煽られて先買いに走っている、と心理的な面もあると指摘する人もいます)。 確かにバイオ燃料は石油の代替としては有用かもしれませんが、その増産の結果として途上国等穀物を買う余裕の無い貧しい国の飢餓を招くのであったとすれば、それは人類にとって必ずしも有用なものではないと思います。 (個人的には、このような食料を燃料にして飢餓を招くようなバイオ燃料は「偽善」であると思っています) バイオ燃料用トウモロコシ増産のために食料穀物が減産され高騰化して飢餓を招き、サトウキビ増産(サトウキビはバイオ燃料の有力な原料)のためにアマゾンの原生林が切り開かれる…。 こういったことは、果たして「地球と人間に良いこと」なのでしょうか? そういった「広い視野」から見つめなおすことも必要なのではないでしょうか。
お礼
>そういった「広い視野」から見つめなおすことも必要なのではないでしょうか。 まったく同感です。現状では本末転倒もいいところなのですね。 ありがとうございました。
- Antithese
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世界一の農業大国アメリカでは小麦・大豆・トウモロコシの世界生産量の約1/3を生産しています。 アメリカの農家は日本の農家と違い、一種の企業のようなものです。ですから小麦・大豆・トウモロコシのように転作しやすい農作物は、市場の動向を見て価格の高いものを栽培します。現在アメリカではバイオエタノールの原料確保のため、トウモロコシに補助金を出していますので、農家とてもトウモロコシを生産することは安定した収入につながりやすいのです。 ただし、バイオエタノールの生産増は穀物の価格高騰の原因の一つでしかありません。 オーストラリアの旱魃や中国などの生活水準の上昇に伴う穀物消費増(同じカロリーを摂取するためには穀物を直接食べるのに比べ、鳥で2倍、豚で4倍、牛で8倍の穀物が必要になります)。 また、深刻化している水不足問題も絡んできています。農地も限られていますし、単純にどんどん作れると言うものでもありません。
お礼
>バイオエタノールの生産増は穀物の価格高騰の原因の一つでしかありません >深刻化している水不足問題も絡んできています。農地も限られていますし、単純にどんどん作れると言うものでもありません。 大変参考になります。単純に一側面から語れるような問題ではないのですね。 ありがとうございました。
- fitto
- ベストアンサー率36% (1372/3800)
>>今トウモロコシを作れば高く売れる」//皆こぞってトウモロコシを作るようになり バイオ燃料用のトウモロコシを作れば高く売れるので、皆こぞってバイオ燃料用のトウモロコシを作るようになりました。 そのため、食料用のトウモロコシや大豆が品薄になり、価格上昇となりました。 バイオ燃料用のトウモロコシと食用のトウモロコシは別のものです。 今、トウモロコシを燃料用に使わなければ、他の穀物の作付けが増えて2割は安くなるとの見方が出ています。 http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/2008-04-30T172531Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-315894-1.html
お礼
参考リンク読んでみました。なるほど。原油が高い→代替燃料という側面もあるのですね。 なるべく食料価格に影響が出ないように移行できればいいのですが、そうはいかないということですね。 ありがとうございました。
投機と気候の問題があります 金持ちやざいぱつや権力者や巨大組織が、シカゴの穀物相場で穀物を転がして金儲けをしている。 そして、旱魃とかの問題で、凶作が続いている。 穀物を生産するにも、運送するにも、石油が必要だが、それが高騰している。
お礼
なるほど。単純に需要と供給だけの問題ではないのですね。 回答ありがとうございます。
- chukenkenkou
- ベストアンサー率43% (833/1926)
>今トウモロコシを作れば高く売れる」ということが農業経営者たちの間に広まれば、皆こぞってトウモロコシを作るようになり そのために、小麦の価格が高騰しているのです。
お礼
や、私の勘違いでしょうか?高騰しているのは小麦の価格でしたか… もう一度調べてみたいと思います。 回答ありがとうございます。
お礼
>人口の増加に農業生産量が追いついていないのが現状です そもそも私は勘違いしていたようです。豊かな日本に住んでいるせいなのか、食料というものは地域によって供給格差は依然としてあるものの、数字としての必要量は確保されている=作付面積は足りているとばかり思っていました。お恥ずかしい限りです。 後半にお答えいただいた >技術と資金のある先進国が途上国で農地開発や灌漑設備の充実、最新農具・農薬の導入を推進し、生産効率が大幅に上昇すると考えられています。 実現にはかなりの(自国生産者への)痛みが伴いそうですが、それが理想のように私にも思えます。 バイオ燃料そのものは将来的に有望な燃料であるものの、本格的な移行ほ行うなら現状+αの作付面積を確保してから行うべきもののようですね。 ありがとうございました。