ここ10年くらい市販のキットばかり使っていますけど、昔はせっせとやってました。
アルカリSDSのミニプレップと言ってもいくつも変法がありますが、私がやってた方
法だと吸光度と電気泳動した時のDNA量はまあそんなもだろうという感じでした。
細かい方法が書いてないのでしかとはわかりかねますが、吸光度と見た目のプラスミ
ド量が違うのはコンタミのせいだと思います。主としてコンタミしてくるものは
1) 大腸菌のゲノムDNA、2)RNA、3)タンパク質の3つです。質問者さんのやり方
がわからないので、モレキュラークローニング(Sambrook&Russell, 第3版)のプロトコ
ールと同じとします。
まず、ゲノムDNAはsolution 1, 2, 3を加えた時の処理が丁寧じゃないとどんどんコンタ
ミしてきます。大量にゲノムDNAがコンタミすると電気泳動で見えるようになります。
コンタミしたゲノムDNAは超遠心する以外除きようがないので、solution 1, 2, 3での処
理は要注意です。
この本の通りに調整したプラスミドだとすると、RNAがまるで除けていませんので、260nm
の吸光度は恐ろしく高くなります(このプロトコールを私は推奨しません。RNaseAいれっぱ
なし!)。もしこのプロトコールでおやりでしたら、吸光度とプラスミド量が違うのは至極当
然です。タンパク質のコンタミについてはスペクトルをとればすぐわかります (もちろんスペ
クトルは毎回調べてますよね?)。
昔私はRNaseAを加え37度インキュベート後、フェノール処理、エタ沈とやってました。
こうすればRNAやタンパク質のほとんど入らないきれいなプラスミドがとれます。吸光度
と電気泳動したときのプラスミド量がだいぶ違うなと言うこともまずありません。
市販のキットを使えばすごい短時間できれいなプラスミドがとれます(ただし、ゲノムD
NA のコンタミは本人次第)から、今後何度もプラスミド調整をもやるなら、おすすめです。
お礼
teru-arai様 ありがとうございます! よくよく考えれば、RNAaseを入れっぱなしなので吸光度が上がってしまうのは当たり前。なのに今まで深く考えずにやっていました…。 確かに、コンタミのことを考えてもRNAse入れっぱなしは良くないですね。 これからは、必ずRNAse後にエタ沈を入れるようにします。 あと、タンパク質って230nmも吸光するんですね! 今までやったことないですが、230nmの数値もチェックしてみようと思います。 いろいろとても勉強になりました。ありがとうございました!