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精神現象学、どれ読めば…
約10年前、なんとなくヘーゲルの精神現象学に寄り道し、楽しく読みました。 といっても、内容は今となってはほとんど記憶にありません。 当時は平凡社ライブラリーの樫山鉄四郎訳で読みました。 それで現在、「今こそ精神現象学、再読!!」という意欲に駆られているのですが、どの翻訳を読もうかな…、と。 ご意見いただけたら幸いです。 ちなみに私、ドイツ語力はゼロ。その他の語学もヘーゲル読解は土台無理なレベルなので、和訳でお願いします。
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現在は長谷川宏さんの翻訳が話題ですね。ドイツから表彰されているそうです。 http://www.logico-philosophicus.net/profile/HasegawaHiroshi.htm
- HANANOKEIJ
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読んだことがないので、失礼ですが、書店へ行き、ヘーゲルの「精神現象学」という本を片っ端から、立ち読みします。読めそうな本を購入してください。 お近くの図書館にもヘーゲル「精神現象学」はあるとおもいます。 司書に聞いてみてください。 「精神現象学」入門、長谷川宏さんの文庫本が講談社から出ていなかったかな?
- harepanda
- ベストアンサー率30% (760/2474)
私が持っているのも平凡社ライブラリーで、それ以外の訳が優れているかは分かりません。私はヘーゲルでも、「法の哲学 - 自然法と国家学」を読み込んできた人間なので。 ちょっと目先を変えて、キルケゴールを読むのも面白いでしょう。彼は、著名哲学者としてはおそらく唯一の、「弁証法家にして実存主義者」という人物です。弁証法家の私にとって、通常の実存主義者の著作物を読んでいると、どうも、歪んだ自意識過剰が鼻につくような気がして、なじめないのです。サルトルなど典型的で、彼の本音を言ってしまえば、「俺は不幸者だ。だから頭がいいんだ。どうせお前のような幸福なバカ者にはわからんだろう」という意識があるようにしか思えません。サルトルが好きな人にとっては申し訳ないのですが、そうとしか思えないのだからしかたありません。clerk_nova様も精神現象学を楽しく読んだということですから、私と同じような感覚を持っているかもしれませんね。 で、キルケゴールですが、この人の思考様式は、弁証法的です。「君は今、幸せ者かもしれない。でも、どんな幸せ者でも、不幸者に転落してしまう可能性はある。自分がそのプロセスを示して見せよう」。キルケゴールの基本姿勢は、大体、このようにまとめることができるかと思います。弁証法家の特徴のひとつに、文章を読みながら他人の思考過程を追体験することを重視するという点がありますが、キルケゴールはまさに、この特性を持った実存主義者であり、しかも、本の構築のスタイルが、見事に「精神現象学」と一致しているのです。ただ、結末は、絶対的な知の高みではなく、実存主義的不幸者ですけど。幸い、日本語訳はまともで、読みやすい部類に入りますし、ヘーゲル「精神現象学」よりはキルケゴール「死にいたる病」や「不安の概念」のほうが、はるかに簡単でしょう。 また、ヘーゲル、キルケゴールと来たら、その先にはアドルノが待っています。アドルノは難解な思想家と言われますが、弁証法的思考が出きる人にとっては、特別に難しい思想家ではないと思います。とりあえず、彼が若い頃に書いたキルケゴールについての研究を読んでみると良いでしょう。さすがに円熟期の作品となると難解です。しかし、それを言えば、ヘーゲルだって円熟期になると、ルソーを分かっていないと本当は理解ができない思想家です。ルソーの一般意志の思想を素直に受け継いでいるという点で、カントと後期ヘーゲルは、見事に一致しており、しかもヘーゲルは意志をローマ法概念のanimus(法学の世界では、心素という定訳があります)に結びつけています。この傾向は、法学を専門とする弟子のガンスの方が明確で、しかもローマ法用語の使い方が、より正確です。ここまでくると、同じヘーゲル読みでも専門が違いすぎて、議論を成立させるのが困難になってきます。clerk_nova様が、おそらく聞いたこともないような世界だと思いますが、これはちょうど、私が精神現象学のお奨めの訳を思いつかないのと、同じ状況です。
お礼
私もサルトルは食えませんでした…。 キルケゴールは「死にいたる病」は大昔、通読したように思いますが、 精神現象学の後に読んでみようかと思います。 私はアドルノ、ホルクハイマーの「啓蒙の弁証法」やハーバマスあたりまで読んだところで学問から離れてしまい、今もう一度学びたくなっているところです。 ご丁寧なご意見、参考になります。ありがとうございます。
お礼
ありがとうございます。 学問から遠ざかっているので、こういう「話題」を教えていただけると助かります。