コレは結構、初学者がやるミスですね。
コレを理解するためには、「実際に発音される音としての"母音"」に対しての「その音を作り出すために綴られる文字としての"母音字"」と言う考え方の違いをしっかりと認識しないといけません。
これらは、かなり混同されがちだからです。
まず、英語でアルファベット1文字で母音を表すことの出来る文字というのは、a,e,i,o,u,yの6文字になります。
「あれれ? なんでy?」と思うかもしれませんが、baby[beibi]やsky[skai]のようにyも母音を作ることもあるのです。
で、ここからが大事なのですが、日本語の仮名というのは助詞の場合の"は"を[wa]と読んだり"へ"を[e]と読んだり、長音の表記時などの例外を除いて原則として一つの文字は一通りにしか読みません。
しかし、英語のアルファベットは一つの文字が複数の発音を作り出すことがあるのです。
母音字においては、いわゆる"ローマ字読み"のような音になる時(下のスラッシュの前)と、"アルファベット読み"のような音になる時(スラッシュの後)があるわけです。
aなら[ア/エイ]
eなら[エ/イー] ※但し、一文字だけで[イー]となることは稀で普通はeeなどとすることが多い。
iなら[イ/アイ]
oなら[オ/オウ] ※短母音と二重母音との違いに注意!
uなら[ウまたはcutのようにアと読むことも多い/ユー]
yはiに準じるような感じで、母音として読む場合は[イ/アイ]
この時、よぉ~くみて下さいね。
u以外は読み方を変えようが、ア・イ・ウ・エ・オという母音で始まっていますよね?
しかし、uだけはヤ行の子音で始まる読み方の時があります。
それがまさに、userやuniversityなどの時なのです。
他にはunitなど探せばいくらでもあります。
で、これらの語に不定冠詞をつける際には、cutやputのように"u"という文字が母音を表すことが出来るからといって"an"をつけるのではなく、"実際にその単語を読む際に"userは[ユーザー]というようにヤ行の子音で始まっているのですから"a"で構わないと言うことです。
#1さんの補足にある英語の意味は、そう言うことを説明しているのです。
逆に、当たり前といえば当たり前ですが"u"から始まっている名詞でも、発音が[ユー]と読むのではなく[ウやア]という母音で読むのであれば、不定冠詞は"a"ではなく"an"をつけます。
潰瘍という意味のulcer[アルサー]などがそうですね。
他にも"h"という文字は、ハ行の子音として発音することもあるのですが、フランス語のように発音されない時もあります。
そのため、"h"始まりの単語でも"u"の時と同様に綴りで決めるのではなく、"実際の発音にあわせて"不定冠詞をaかanに決めるわけです。
a human ←ヒューマンというようにハ行の子音始まりだから"a"
an hour ←アウア(私たちのというourと同じ発音)というように母音始まりだから"an"
繰り返しますが、綴りではなくて実際の発音で決めて下さい。
お礼
こんにちは。 kerozirusi さん、丁寧な解説ありがとうございました。 確かに、綴り=1つの発音ではないことが、理解するために考えるところですね。 そもそも、質問の動機は、コンピュータのルータの画面表示設定の勉強中の例文に、 "This is an motd banner" "This is an login banner" という2つの例文に何で an がつくのかが理解できないところからはじまりました。 スクールの先生にメールで質問したところ、 「"This is an motd banner"は、motdは現場で「エム・オー・ティー・ディー」と読むこともあるから、anになるのではないか、"This is an login banner"はつられてタイプした誤植ではないか、私も英語にくわしくありませんが、universityはanがつきますし…」 というところから質問させていただきました。 あらためて、ありがとうございました。 失礼いたします。