石油を人工的に作り出すことは十分可能ですし、すでに実用化されています。値段もバカ高いということはありません。
その前に、何十年後かに地球上の石油が枯渇するというのはウソです。専門の学者は何十年後まで「少なくとも」石油は「ある」といっているのです。「可採年数」といいます。それをマスコミや新エネルギーを開発している科学者が何十年後に石油が「なくなる」と間違って(あるいはワザと)言っているのです。だまされないでください。
ということはともかく。石油を人工的に作り出すことは可能です。
第二次世界大戦中にドイツで石炭からガソリンや重油を作る方法が考案されました。その技術は戦後、南アフリカに移転されて実用化され、現在でも巨大な石炭液化プラントが稼働中です。南アフリカの人々は石炭からできたガソリンを普通のガソリンと区別せずに使っています。アメリカでも石炭から石油を作るプロジェクトが進行中で、もうすぐ稼動するはずです。
南アフリカでは、天然ガスからも石油を作っていますが、この技術はカタールに移転され、一昨年から稼動を開始しています。イギリスのシェル石油もこの技術を持っていて、マレーシアで実用化されています。これで作られた灯油は日本へも輸出されているので、貴方も使っているかもしれません。
カナダではオイルサンドから石油を作っています。カナダのオイルサンドを石油に換算するとカナダはサウジアラビアについで世界第二の石油大国になるそうです。オイルサンドから作られた人工原油はロッキー山脈を越えて、日本へ運ばれる計画もあります。
このように石油を人工的に作り出すことは可能で、世界中で盛んになりつつありますが、これは石油が枯渇するからではなく、石油の値段が上昇した結果、人工的に石油をつくっても儲かるようになってきたというビジネス上の理由からです。アメリカが石炭から石油を作ろうとしているのは、これ以上中東から石油を輸入したくないという理由もあります。