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キャビティー
キャビティーとは、何なのでしょうか? 特に(量子)光学では、内部の光子が外部に 漏れ出して、レーザー源として用いられるもの、 という理解はどうなのでしょうか? キャビティーの使い道を含めて教えていただけると うれしいです。
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度々失礼致します. 私の回答でお探しのものに合っていると良いのですが.. 私が外部共振器を作ったのはもう5年以上前のことですので,検索していて 用語を見ては思い出す,と言う感じなのですが. レーザーの光源は,固体であれ色素であれガスであれ,ある励起準位又は バンドからの脱励起のエネルギー差分のhνです.ν=c/λ. 固体はバンド構造,気体原子では熱運動や不確定性原理等があって, このν(又はλ)は拡がりを持ったものとなります. この光をおっしゃるようなイメージの装置で波長選択的に発振させます. http://news2.ils.uec.ac.jp/99y/ylw.html [●ファブリ・ペロー共振器を用いた超高反射率ミラーの特性評価] この図1が原理です. エタロン板もこの原理に基きます.エタロンを用いて振動数で選択的に光を取り出すものに, ファブリ・ペリー干渉計があります. エタロン板は,ガラス注の両端面を極めて厳密に平行としたものです. ただこの方法だと,条件を満たす異なる振動数の光が出てしまいます. この選択される振動数の差が,光源の出す光の振動数の拡がりより大きければ 上記で 十分なのですが,実際には下記のような回折格子を用いた外部共振器を用います. 回折格子を用いると,振動数ではなく,波長で選択されます. http://www.newport-japan.co.jp/tutorial/phot_049_02.html 上記の図5がリトロー型,別タイプのもの(名称失念)が図6です. 光源から出た光を回折格子に当てることで,波長選択的に光を 光源~回折格子間をキャビティとして発振させます. 私(と先輩)がかつて作ったのは上記2タイプでした.リトロー型の方が発振が楽でした(苦労しました). 回折格子の後ろにピエゾ素子を取り付け,ほんの少し傾きを変えて変調させます. なぜ自作したかと言うと,製品は高いからです. EORとかメーカーは幾つかありますが,廉価版で100万弱,通常版で300万程でした. 原子・イオンの吸収分光に用いました.発光分光と違って分光器による装置拡がり等の 影響がないし,原子・イオンの温度や流体の速度を測定することを行ったことがあります.
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光学分野では Cavity という用語は"空洞の何らかの空間"、特に光が閉じ込められる空洞のことを指しています。 なので広義の意味では、レーザ共振器に限りません。 空洞放射(Cavity Radiation)というものがあり、こちらは共振器ではありませんが、ちょうど卵の形をして小さな穴をそこに一つあけて中が空洞になっているようなもので、加熱すると光を放出します。 これもCavityと呼ばれます。 狭義にはレーザで使われるような共振器を指してcavityと呼びます。 これは、ちょうどミラーなどにより形成される特定の空間内に光を閉じ込める構造からです。 共振器は、"特定の波長の光に対して共鳴する装置"のことです。 代表的なものは、2枚のミラーを対面させたもので、ファブリペロー共振器と呼びます この共振器の中にレーザ媒質を入れてレーザの構造となります。 レーザ媒質を入れないで、ただの共振器として使う場合は通常エタロンとも呼ばれています。 では。
お礼
「共振器は、"特定の波長の光に対して共鳴する装置"のことです。」 なるほど、よくわかりました。 レーザ媒質を入れればレーザの構造になるのですね! どうもありがとうございました!
- First_Noel
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>ということは、キャビティとは位相の揃っていない >光を入力として、内部で位相をそろえて、 >位相の揃ったレーザーを出力するシステムと考えて >よろしいのでしょうか? 以前に作ったことがあるのですが,おっしゃる機能を持つものを「キャビティ」と 呼んでおりましたが,厳密には「外部キャビティ」或いは「外部共振器」と称するものでした. 従いまして,例えば半導体レーザーの内部構造などに特化した用語としてはよく分かりませんが, 同じ目的の為のものだと思います. 外部共振器の場合についてですが,光源に半導体レーザーを用い,回折格子で 選別した 特定波長の光のみを発振させます.共振条件を満たさなくとも出力はある程度ありますが, キャビティ長をマイクロメータでじりじりと手で調節して行って発振条件を満たしたときは 突然遥かに明るく出力が出ます.
お礼
ありがとうございます。イメージがわいてきました。 もしよろしければ、お作りになられた外部共振器の 構造を教えて頂けないでしょうか。 いまのところ、ハーフミラーと全反射ミラーを用意して、 2枚のミラーで何らかの媒質(非線形結晶?)を はさんだようなものをイメージしています。 そして、光源である半導体レーザーは、この系の外部にあって、 ハーフミラーを通して共振器内部に入力されると考えています。
- First_Noel
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キャビティは「空洞」と言う意味で,レーザー発振の場合, レーザー波長の整数倍の長さを持つ空洞の中でレーザー光を多重反射させて 位相を揃えます.その空洞の片側に,若干の透過性を持つハーフミラーと すれば,空洞内で多重反射しているレーザーの内の幾分かが外に出て行きます.
お礼
ありがとうございます。 ということは、キャビティとは位相の揃っていない 光を入力として、内部で位相をそろえて、 位相の揃ったレーザーを出力するシステムと考えて よろしいのでしょうか?
お礼
返事遅くなりまして申し訳ありませんでした。 論文読ませて頂きました。 何となくですが、理解できました。 どうもありがとうございました!