民族と言う言葉は、さまざまな意味で使われています。主なものをあげると、
1.身体的特徴の違い
2.文化、言語、風習、宗教の違い
3.住んでいる地域
などです。
ご質問の趣旨は、多分、身体的特徴での民族としての種別(例えば、アングロ・サクソン、アーリアなど)を主に言われているのかな、と思います。
身体的特徴では、日本人は東アジア系に属します(当り前か?)。これを、モンゴロイド、モンゴル族といいます。日本人は、モンゴロイドの1民族です。ところが、モンゴロイドの中のどのような系譜で日本人が成立したのかは、まだ分かっていません。過去においては、北方系の弥生人と南方系の縄文人からなる「二重構造説」というのがありました。また、「北方騎馬民族説」というのもありました。現在では、これらはいずれも否定されています。近年のDNAを用いた研究では、北東アジアに日本人と同じDNAの人達がいるようです。DNAを用いた研究が進んでいますので、遠からず、日本人の系譜が明らかになる日が来ると思います。(No3の方の回答は、その研究の最近の進展を教えて下さっているのではないかと思います)
言語の側面ですが、これも不明なようです。
かつて私が学生の頃、「日本語は孤立した言語だ」と教えられたことがあります。日本語のルーツがどこにあるか分かってなく、日本語と同じ構文構造や類似単語を持つ言語が見当たらないと言うものです。ごく一部に似た単語や類似の語順を用いている言語もありますが、とても関係のある言語とまでは言えないようです。この状況は今でも変わらず、解明の目処は立っていないようです。
日本では大和朝廷の成立以来、島国で他国からの干渉も少なかったため、人々の均質化が進みました。日本人のことを、大和民族、アイヌ民族などを総称して、「日本民族」と言います。ただ、「日本民族」という言い方が成立したのは、外国との関係を意識するようになった明治以降のことで、必ずしも身体的・文化的側面から付けられた名称とは言えないようです。
まとめると次のようになります。日本人はモンゴロイドの中の一民族であって、身体、文化、言語の面で独自の発展をしてきた民族であり、一般に「日本民族」という。だが、日本民族の系譜、他民族との関連は明らかでない。