1.冠詞が付かないとは、色々な場合があります。一般に「何々の」というような言葉のことを決定詞と言います。例えば、a,the,this,my,its,someなどです。「ある一つの」、「その」、「この」、「私の」、「それの」、「多少の」というように、どれも日本語では「の」で終わっています。これは、英語の一つの癖で、決定詞には、名詞で表されるものが誰の所有か、いろいろ同じようなものがある中のどれかを特定する役割があります。a:「ある一つの」は、「まだ誰の所有にもなっていない・誰の所有か分からない、つまり特定されていない任意の」という意味です。また、some:「幾らかの」は、「特定されていない」という意味です。
そして、名詞は非常に大きく分けて、このような決定詞を必要とするものと必要としないものに分かれます。
(1) 決定詞を必要とするもの:決定詞は、所有または特定を示すわけですから、人々が所有するもの、または所有できるもの、そして、「ああ、あれね」と特定できるもの。簡単な例は、机、りんご、ペット、親、子供、学校、会社、などです。ただし、a は、「ある一つの」という意味ですから当然、一つ二つと数えることのできるものにしか付きません。
(2) 決定詞を必要としないもの:要するにこちらは、所有とか特定と言う感覚がないものです。(1)であげたものについて、一般的に述べる場合は決定詞がつきません。つまり、一般的な意味での机、りんごという場合は、決定詞は要らないのです。また、機能について述べる場合は、普通、機能は一種の動きなので決定詞はつけません。維持とか管理などの語です。
2.a か the かは、結構迷う時があります。基本的には、話者と聞き手が共有する場のようなものがあり、その場の中で特定できるものであればtheが付くと言うことになります。「駅はどこですか」と言う時、当然、相手が知っている最寄の駅の事を聞くわけですから、Where is the station? とtheが付きます。しかし、繁華街で幾つもコンビニがあるような感じの場所なら、「コンビニはどこですか」は、Where is a convenience store?となります。最寄のコンビニが幾つもあるのでどれか一つに特定できないからです。