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空範疇原理について

現在あの複雑な空範疇原理を勉強しています。そこで質問なのですが、統率というのは今ではどちらかというと廃れた概念であるということを聞いたのですが、その様な状況で空範疇原理は現在ではどのように取り扱われているのですか?特に理論の変遷もなしであのままなのでしょうか?詳しい方教えてください。

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回答No.1

空範疇原理(ECP)はさまざまな、一見無関係な現象を一気に説明できる非常に優れた仮説です。 たとえば、that-t 効果、主語と目的語の非対称性、付加詞と目的語の非対称性、上位範疇優先(Superiority)の効果、等々。 しかし、Chomsky はこれで満足しませんでした。天才は飽くことを知らない。 まず、ECP では説明できない現象がある。 第二に、適正統率子が語彙範疇でも先行詞でもよい、というのは格好悪い。 第三に、無駄が多い。 そこで Chomsky は経済性の原理を持ち出しました。いるかどうか分からないものは捨ててしまおう、「統率」という概念も有用かもしれないが、なしでやれるところまでやってみよう、というわけです。 現段階では必ずしも成功しているとはお世辞にも言えません。 昔なら ECP による説明でみんな納得していたのに、いまでは、that-t 効果の説明にも、百家争鳴、人によって説明の仕方が違う状態です。 でも「あの複雑な空範疇原理」なしでいいのならそれに越したことはない、と世界中の秀才たちが頭を絞っているというのが現状です。 まとめると、ECP で説明されていた現象がなくなったわけではもちろんない。ECP に変わる説明を求めているのだ、というところでしょう。

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