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アモルファスであるはずの酸化チタンが光活性を示していて困っています
私は,末端にトリエトキシシリル基を持つポリマーと,チタニウムテトライソプロポキシド(TiOPr)とを加水分解・重縮合させて薄膜を作製しています. この薄膜のX線広角回折の結果からアモルファスであることがわかりました.TiOPrは加水分解・重縮合するとチタニア(TiO2)になるわけですが,アモルファスのTiO2は光活性を持たないことは知られています. そこで,薄膜の耐光性(耐候性?)試験を行ったところ,TiOPrを複合させた薄膜のほうが,紫外線照射時間に伴う透過率の低下が著しいことがわかりました.TiO2は無定形で存在しているはずなので,未複合のものとほぼ変化がないと予想していたのですが…なぜなのでしょうか.未反応のTiOPrが光活性を持っていて,それがポリマーを劣化させているのでしょうか? この原因がわかる方や,検討法を提案できる方がいらっしゃたらご返答お願いいたします.
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耐光性試験の比較相手の薄膜は、ポリマー単体での薄膜でしょうか?それとも、TiOPrを単独で薄膜にしたものでしょうか?それによって、原因を考察した結果が変わるのですが…。 以下、ポリマー単体での薄膜だと仮定して原因を推測します。 アモルファスのTiO2はおっしゃる通り、光活性を持ちません(もしくは、非常に弱い)。しかしながら、表面活性(暗所活性)自体は持っています。今回のポリマー劣化は、それにより引き起こされたのではないでしょうか?今回比較された薄膜2枚を光に当てずに静置したものはどういった感じでしょうか?ポリマーがシリコーン系(例えば、信越化学のKF-9908など)の場合だった場合、劣化が遅いような気がするので、この考察は間違いかもしれません。 なお、No.2さんへの補足にある「約900℃以上で加熱しないかぎりアナターゼ型であるとはいかないのでしょうか?」ですが、条件によってはルチルができることがあります。(今回の条件ではできないと思います。)
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- nanami_2
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重合は専門ではありませんがお答え致します。 説明が抽象的で、加えて構造がわからないのでなんともいえないのですが、トリエトキシシリルを含有するだけでもそれなりにバルキーだと思います。仮にアモルファスが光耐性に利いてくるのだとすれば実験結果を単純に考えればTiO2を加えたほうがアモルファス性が低下しているということですね。 まずはやるべきことはモノがきちんとできているのかどうかを調べることだと思います。 そこがわからないと何を議論しても始まりません。頑張ってください
>未反応のTiOPrが光活性を持っていて… 有機成分が残存しているかどうか見るのでしたら、他は全て金属酸化物ですから、空気中でのTG(熱重量分析)を行って重量減少がないことを確認するのはいかがでしょう。また、DTAを用いて熱による状態変化を見てみるのも意味があるかもしれません。 結晶化したTiO2がルチルかアナターセかもちょっと気になります。
補足
早いご返答ありがとうございました. ご指摘された目的とは異なるのですが,以前TG測定を行ったことはあります.しかし,ポリマーとTiOPrをコンポジットさせているので,有機成分が未反応TiOPr中のプロポキシド部分以外にもあるためにTGの重量減少では判断できないと考えているのですが… DTAはまだ用いたことがないので,ぜひ検討してみたいと思います! 「結晶化したTiO2がルチルかアナターセかもちょっと気になります。」とのことですが,仮に熱をかけて結晶化させたとして,約900℃以上で加熱しないかぎりアナターゼ型であるとはいかないのでしょうか?
- c80s3xxx
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あなたは学生ですか? その研究の知的財産関係の問題はありませんか?つまり,研究内容をこんなところに書いてしまっても大丈夫なんですか?
お礼
すでに学会で発表済みなので,その心配はございません. また記述した程度の内容でしたら,何年も前から他にも大勢の方が研究されていることですので大丈夫です. 心配おかけしました.
お礼
早いご返答ありがとうございます. チタニアとポリマーが結合していることは確認できているのですが,今の段階では未反応TiOPrが残っているのかを確認する術がわからないので,今後も検討していきたいと思います. ありがとうございました.