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フッ素の再石灰化の機構について
フッ素を用いるとなぜむし歯になりにくくなるのですか? フッ素を作用させると、フロオロアパタイトを形成し、耐酸性の性質を持つことになることは判ったのですが、原子レベルでどのようなメカニズムで生じているのか、なぜフッ素のみがそのような反応を起こすのかどうしても判りません。確かにフッ素が反応性に富む原子だとは判るのですが。。。。。調べれば調べるほどわからなくなってしまいました。どなたか教えてください。宜しくお願いします。
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- chobi_skb
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歯の主成分であるヒドロキシアパタイトは無機イオン交換体です。 無機のイオン交換体として知られているもののほとんどは陽イオン 交換体なのですが、この材料の特徴は負イオンのイオン交換特性も 持つことにあります。このため両性イオン交換体とも呼ばれます。 つまり水中において、ヒドロキシアパタイトのOH基と水中のFイオンが 交換されフルオロアパタイトが生成します。 無機イオン交換体の特徴はイオン交換特性が通常のイオン交換樹脂と 比較して特異的であり、ヒドロキシアパタイトではOH基とFイオンとの 交換反応が容易に起こります。 このためフルオロアパタイトが容易に生成するのです。 ただし両性イオン交換をしますのでたとえばHFだとCaもHとイオン交換し 水中に出てきます。 このため歯に対してもっとも有効なのはCaF2なのですが、これは溶解度 が低いのでペースト状にして直接塗布する方法が使われているはずです。 2005年のネイチャー(英語版)にはフルオロアパタイトを一部溶解させたものを歯の治療に使うというのが発表されていますね。
- k-kirin
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すいません、前段ではイオン半径について触れていましたが、 肝心なことを忘れていました。 それは『イオン化傾向』です。 陰イオンにもイオン化傾向があります。 NO3>SO4>OH>Cl>Br>I フッ素のイオン化傾向はWikipediaにありませんでしたが、周期表からみてイオン化しやすいとおもいます。
- k-kirin
- ベストアンサー率75% (6/8)
No.2の答えに追記です。 引用文献1では、イオン交換と書かれておらず、イオン置換性となってます。 文献を見て、私が思い込みと想像でイオン交換、と書いただけですので、間違っている可能性があることを念頭に置いておいてください;
- k-kirin
- ベストアンサー率75% (6/8)
以前、ちょこっと調べたことがあったので。(正解かはわかりませんが;) 人間の歯の最表面であるエナメル質の主成分はカルシウムハイドロキシアパタイト(以下、HAp)という物質です。 質問で書かれているフルオロアパタイト(以下FAp)はご存じのとおり、フッ素イオンの入ったアパタイトですが、HApは水酸化物イオンの入ったアパタイトです。 HApの水酸化物イオンが、フッ素イオンとイオン交換することでFApになるという論文が発表されています(引用文献1) アパタイトには、水酸化物イオンやフッ素イオンが入ったものの他にも、塩化物イオンやヨウ化物イオン、炭酸イオンなどなど色々な種類があります。 よく研究されているのはHAp、FApと、塩化物イオンの入ったクロロアパタイト(以下CAp)です。 この3つのうちで、イオン交換することで得られやすい順番は、FAp>HAp>CApであると推察します(私が実際に扱ったことがあるのはHApとCApのみで、HAp→CApはあまり起きないのですが、その逆はよく起こります。さらに、引用文献1も統合すると上記の順番に)。 フッ化物イオン、水酸化物イオン、塩化物イオンのイオン半径は、六配位(対象とするイオンの周りに6つの原子がある状態)ではフッ化物イオン:1.33Å 水酸化物イオン:1.37Å 塩化物イオン:1.81Å Åはオングストローム 10^(-10)メートル)(引用文献2) おそらく、イオン半径の大きいものから小さいものに入れ替わる分には楽に進行するからじゃないかと思います。 引用文献 1.門間 英毅; "特集 セラミックスの新局面 ハイドロキシアパタイトとtフルオルアパタイトの比較材料科学"; ニューセラミックス, Vol.10, pp.9- (1991) 2.Y.Q.Jia; "Crystal radii and effective ionic radii of the rare earth ions"; Journal of Crystal Solid State Chemistry; Vol.95 No.1, pp.184-187 (1997)
この件については米国で何十年もの間水道水にフッ素イオンを添加するかどうかでもめ続けていますので、その歴史をお調べ下さい。 正直なところ何が本当か分りません。
お礼
ありがとうございます。早速調べてみます。
お礼
ありがとうございます。とても参考になります。