・「ほう」のある・なしによる違いは?といえば、「ほう」なしの場合は常識的に見られ、「ほう」ありの場合は、ともすれば、「こやつ日本語知らんな・・・」と思われてしまう危険性がある、ってことでしょうか(笑)
・丁寧に言いたければ「ほう」を使う?かと言えば、NOです。が、そういう風潮が強まっているとは言えます。
いわゆる「ほうほう族」なんてのも言われている昨今ですが、国語学的には、一般にご質問者様が考えていらっしゃるのでほぼ間違いではないでしょう、「ほう」の使用が適正かどうかは抜きにして。考え方としては多く「ほう」使用者の意識としてはそういうことなんだろうな、という見解です。
特にA・Bを選択させるような場面ではなく、AしかないのにAのほう、というのは、直接指さない、という日本語の(あるいは日本語使用者の心理的側面とでも言いましょうか)特徴があります。
たとえば、「あなた」(ま、語源的にはこれだって、直接指さずに方向を言っているだけですけど)と言わずに、「そちら」と言ってみたり、ご質問の文中の「こちらの~」だって方向ですよね。
「I」だの「We」だの「You」のような直接的な言語ではないんです。直接言わないのが美徳、皆まで言わないのが美徳、とかいう考え方が言語そのものに内在しているかのような、そういう歴史をたどっているんですね。
これは元は高貴なものを直接指すのはおそれ多い!ということだったのでしょうが、高貴なものに限らず自分側でないものにも、はたまたご質問文中のようなモノにまで広がって使われたのでしょうね。
「高貴なものは間接的に方向を指そう」
(ていねいな物言いだなぁ・・・)
「あなたも間接的に方向で指そう」
(そっかそっか、『ほう』は丁寧なんだな。なるほど)
「じゃ、モノも間接的に・・・」
(どうだ!これで敬語が使えたぞ!)
といった流れ、といったらよいでしょうか。
およそ、このような感じで「~ほう」が広がってきているんでしょうね。ただし、今のところ、こうした拡大解釈的用法はいわゆる若者言葉、バイト言葉などと言われ、いい大人が使う場合(しかも、公的な場で使う場合)はひょっとするとこうしたことに敏感な方々(これだって間接的ですね)からはヘンに思われますので、使用にはご注意を。(ま、これをきっかけになるべく使わないのがいいでしょう)
ちなみに、ネットで「ほうほう族 日本語」などとやって検索してみると特段書物を手に入れなくともおおよそのことはつかめるかと思いますよ。
お礼
ご回答ありがとうございます。 なるほどですね。 方というのはそのような風潮が高まったからなんですね。 たしかにこちらと言って方を付け足すのはおかしいですね。 これからは方を使わないようにしたいと思います。