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化学工学の問題です。
比熱容量3.6kJ・kg-1・K-1の油が外径90mmで厚さ4mmの管を毎時2000kgの割合で流れている。管長は5mで外側は110℃の水蒸気で加熱されている。油の入り口温度は15℃で出口温度は80℃である。このときの総括伝熱係数を求めよ。また,加熱蒸気温度を120℃としたら,油の出口温度はいくらになるか。ただし総括伝熱係数,伝熱面積はか変わらないものとする。という問題で総括伝熱係数まで求めることができたのですが,その先が分かりません。よろしくお願いします。
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定常状態を考えます。 式を立てるため、変数、パラメーターを以下の記号で表わすことにします。 油の比熱容量 c_o(kJ/kg/℃) 油の流速 v(m/hr) 油の質量速度 G(kg/hr) 管外径 R(m) 管内径 r(m) 管の長さ L(m) 水蒸気温度 T_s(℃) 油入り口温度 T(0)(℃) 管の入り口から測った管の距離(長さ) x(m) 管の入り口から、x の距離における油の温度 T(x)(℃) 管外から管内への熱伝達の総括熱伝達係数 U(kJ/m2/hr/℃) 油の密度(後で、消えます)、これを ρ(kg/m^3) とします。 管の入り口から x~x+Δx の管の部分における、時刻 t~t+Δt の間の 熱のバランスを考えます。 Δt 時間に油の流れる距離は、vΔt x の位置で熱を持った油が入り、x+Δx の位置で熱を持った油が管から 出るので、管の当該部分の受け取る熱量は、 c_o・ρ・vΔt・A_c・{T(x)-T(x+Δx)} です。 ここで、A_c は油を通す管の面積で、(πr^2)/4 です。 Δx が極めて小さい時、T(x+Δx)=T(x)+(dT/dx)・Δx と表わせるので T(x)-T(x+Δx)=-(dT/dx)・Δx となります。 従って、油が Δx 流れる間に受け取る熱量は、 c_o・ρ・vΔt・A_c・{-(dT/dx)・Δx} ρ・v・A_c は、油の質量速度、G に等しいので c_o・GΔt・{-(dT/dx)・Δx} 定常状態を考えているので、上の熱量と水蒸気が油に与える熱量の和が 0 になっていなければなりません。(そうでなければバランスしない) 管の x~x+Δx の部分に水蒸気が与える熱量は、水蒸気と油の温度差が T_s-T(x) であるから、 AΔx を管の当該部分が蒸気によって加熱される部分の断面積とすると、 AΔx・U・{T_s-T(x)}・Δt となります。 当然、AΔx=2πR・Δx です。 (A は、管単位長さ当たりの表面積) 従って、バランスの式は、 AΔx・U・{T_s-T(x)}・Δt+c_o・GΔt・{-(dT/dx)・Δx}=0 ∴ c_o・G・{dT(x)/dx}=A・U・{T_s-T(x)} 式を簡単にするため、(A・U)/(c_o・G)=α とします。 すると、{dT(x)/dx}+α・T(x)=α・T_s この微分方程式は、積分因子、e^(αx) を掛けると簡単に解けます。 e^(αx)[{dT(x)/dx}+α・T(x)]=α・T_s・e^(αx) 左辺は、d{e^(αx)・T(x)}/dx なので、x で積分すると、 {e^(αx)・T(x)}[x=0~L]=∫[x=0~L]{α・T_s・e^(αx)}dx 右辺は、{T_s・e^(αx)}[x=0~L] 故に、e^(αL)・T(L)-T(0)=T_s・e^(αL)-T_s 両辺に、e^(-αL) を乗じると T(L)-T(0)・e^(-αL)=T_s・{1-e^(-αL)} つまり、T(L)=T(0)・e^(-αL)+T_s・{1-e^(-αL)} または、T(L)=T_s-{T_s-T(0)}・e^(-αL) ここで、数値を代入します。 α=(A・U)/(c_o・G)=(2πR・U)/(c_o・G) =(2・3.14・0.090・U)/(3.6・2)=0.0785・U T(L)=80 T_s=110 T(0)=15 L=5 ∴ 80=110-(110-15)・e^(-0.0785・U・5) 30/95=e^(-0.0785・U・5) ln(30/95)=-0.3925・U U=-ln(30/95)/0.3925=2.937 加熱蒸気温度が 120℃ の時は、 T(L)=120-{120-15}・e^(-0.0785・2.937・5)=86.845℃ 念のため、次元を確認します。 α・L【[(m)・{kJ/(m2・hr・℃)}]/〔[{kJ/(kg・℃)}]・[kg/hr]〕】・[m]、 α・Lは無次元。
その他の回答 (2)
G は、単位を(ton/hr)で表わした質量速度です。 G=ρ・v・A_c ですから、ρを (gr/cm^3) 単位で表わした時、Gの次元は、 (ton/m^3)・(m/hr)・(m^2)=(ton/hr) となるので、 2000(kg/hr) を 2(ton/hr) としたのです。
お礼
回答ありがとうございます。 G の単位は(ton/hr)なのですね。 詳しい説明ありがとうございました。
- aralle
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常識的に考えて,総括伝熱係数が求まったなら,その先は簡単ですよね・・・ どこまで求まったのか式で示してください.
補足
油の流量W=0.556kg・s-1 Q=0.556×3.6×(80-15)=130kJ・s-1=1.30×10の5乗J・s-1 管外表面積をA A=π×0.09×5.0=1.41m3 対数平均温度差ΔTlm = 95-30/ln(95/30)=56.4℃ Q=UAΔTより 1.30×10の5乗=U×1.41×56.4 U=1630Wm-2K-1 水蒸気量が120℃の場合 油の出口温度をx℃とすると,ΔT1=120-15=105 ΔT2=120-x とする。 式に代入すれば求めることができると思うのですが,lnの計算が解けません。計算過程を詳しくおねがいします。よろしくお願いします。
補足
詳しい説明ありがとうございます。 一つ質問ですが,数値を代入するときのGの値が2ですが,これはどういう値でしょうか?