銅合金部品のAlろう付けの可否
ろう付けについては詳しくないので。
金属学的考察から、銅合金部品をAlろうでろう付けすることは不可能のように思われます。
銅合金部品をAlろうでろう付けした実例を御存知の方は教えて頂きたい。接合する相手材の材質は問いません。
欲しいのは実例であって、机上の空論は無用です。
金属学的考察を、「鼻薬(抵抗材)等、抵抗部、発熱箇所、熱伝導の知識」を駆使して覆した事例を知りたいのです。
お願い。
(1)この質問は「43393 プロジェクション溶接について」と関連していることにご留意下さい。
(2)求めているのは「銅合金部品を『Alろう』でろう付けすること」です。
Alろう以外のろう材によるろう付けは対象外です。
またろう付けでない「拡散接合」も対象外です。
既に回答とご指摘を頂いているが、論点がずれてしまわないように、質問の趣旨を再度説明します。
(1)Al-Cu系状態図とAl-Cuスダッド溶接の結果から、溶融Alが生成すると溶融Alと固体Cuが短時間で反応し、Alよりも低融点の溶融Al-Cu合金が生成する。これはCuが溶出すると言える。
(2)接合力向上を狙ってCuに小さいアンカーを形成していたとしても、アンカーが溶出してしまうのでアンカー効果は期待できない。
(3)ろう付けでは母材の溶融や溶出はわずか(例えば数10μ以下)であるとされているので、(1)の考察からCu部品にはAlろうは使えないことになる。
(4)しかし何らかの工夫によりCuの溶出を防止することができれば、Cu部品をAlろうでろう付けすることも可能かもしれない。
回答(1)のXR-FC0215。
JISのAlろう材の融点は、低いもので520~580℃、高いものは577~615℃(但し固相温度(局部溶解開始温度)と液相線温度(全てが液体になる温度)で表示)。
XR-FC0215の説明サイトを見ると組成は「Zn,Al,その他」、融点は「420~480℃」。仮にZn-Al合金だとすると、融点が480℃になる組成は80%Zn-20%Al。420℃なら、さらにZnに近い。
XR-FC0215はAlろうとは言えない。これを使えばAl部品も溶融しないのでは。
ろう材メーカーのHPを見ても
http://www.kinzokuyouzai.co.jp/data/#dat_2
「銅(合金)とAl(合金)」組合せ用のろう材は空欄になっている。
さらに「Al(合金)」とろう付けできる組合せ相手は「Al(合金)」だけになっている(その時のろう材はAlろう)。その理由は考察していないが、Alろうによるろう付けを軽軽に論じてはいけないようです。
ろう付けと言うと一般的には溶融ろう材と接合相手のぬれ性が注目されが、金属の組み合わせによっては、今回のように溶出による金属間化合物の生成が問題になる。
皆様からの情報提供に感謝します。
補足
早速お返事いただきありがとうございます。 基本的に、考え方は間違っていなかったようなのですが、もう少し詳しくお伺いさせてください。 例えば、A, Bの二元系合金の場合、例えばA単体からB元素の濃度の高くなるにしたがって、α、β、γと名付ければ良いと理解しました。 ただ、例えばA, Bの二元系の場合のγ相とC, Dのそれとは順番が同じだけでは、同じ性質を示すとは限らないと思うのですが、これは私の勘違いでしょうか。 あるいは、専門家同士の会話では、ある特定の合金系について、γ相といえば、どの当たりの相かが理解できるので話が通じる、という意味でしょうか。 (違う合金系の同じ名前の相を比べることは無意味?) よろしくお願い致します。