wu方言 (呉(ご)方言)
長江以南の江蘇省・浙江省・江西省の一部に分布する.寧波(ニンポー)あたりを境として,北部方言〔上海〕(注:〔 〕内はその中の代表的な方言を示す.以下同じ)と南部方言〔温州〕に分かれる.
音韻的特徴は,日本語のように濁声母があること.もと入声は,すべて声門閉鎖音 [‐__] として残る.鼻音韻尾の‐mが失われ,‐nと‐ngの区別もない.声調は5から8.多音節語の多くは連音変化を起こす.
呉(ご)方言区(上海方言に代表される)
分布地域は江蘇省の長江以南 鎮江以東および浙江省の大部分.使用人口約8.4%.
上記は小学館中日辞書の解釈です。呉は古代の国名で、いまの浙江省の北部と江蘇省の南部とのところです。呉国のあたりの地域性言語は呉方言という。呉越弁と言っていい。越も古代の国名で、呉国の隣の国で、いまの浙江省の紹興のあたりです。日本語の音読は唐音と呉音と漢音と宋音に分かれてる。呉音は呉方言の発音から発展してきたものです。
ごおん【呉音】
日本漢字音の一。古く中国の南方系の音の伝来したもの。「行」をギャウとする類。仏教用語などとして後世まで用いられるが、平安時代には、後に伝わった漢音を正音としたのに対して和音わおんともいった。
→漢音
→唐音
→宋音
例えば、「行」:コウ〈カウ〉 漢音
ギョウ〈ギャウ〉 呉音
アン 唐
「請」:セイ 漢音
シン 唐音
ショウ〈シャウ〉呉音
実は、今の呉方言と唐音は似通ってる。上海語の中で、「行」「杏」は全部アンとする。
「人」の呉音はニンで、上海語(呉方言の代表)の中で、「人」はニンとする。