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「いい」
「いい」という言葉がありますよね。 「いい考えだ」とか「丁度いいね」とか「格好いいね」とかの。 これを小説などで記述する場合、私の感覚では、 ひらがなで「いい」と書く人が多いかなと思うのですが、 なぜ「良い(漢字)」はあまり使われないのでしょうか。 そんなに沢山の種類の本を読んでいるわけではないので、あくまでも私の感覚ですが。 「良い」だと、 それが「いい」と読むと解っていても「よい」と読めるからかな、とも思うのですが… くだらないことですが、お考えなど教えて下さると嬉しいです。 特に、「良い」より「いい」の方が良い、という方、お願いします。 また、「好い」や「善い」についてのご意見もあれば嬉しいです。
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まず、「良」の読みは、常用漢字表では、音「リョウ」と訓「よ-い」の二つだけで、「い-い」は掲げられていません。 したがって、少なくともその範囲内では、「良い」と書いて「いい」とは読めないことになります。 それが、書き手が明らかに「いい」と読んでいる言葉に「良」が使われていない場合が多い理由でしょう。 で、「よい」と「いい」の違いについてですが、 「よい」は、文語の「よし」からでた形容詞で、「物事の性質・状態が好ましく、満足がいく様子」の意です。 この「よい」が、形容詞としての活用を全部備えているのに対して、話し言葉としてよく用いられる「いい」は、「いい」という終止形と連体形の用法しかありません。また、この「よい」と「いい」を二つの形容詞と見ずに、「よい」は活用のうち、終止形・連体形に「よい」と「いい」の両形があるという考え方もあります。 「~した方がよい・~した方がいい」「~してもよい・~してもいい」「今日は天気がよい・今日は天気がいい」など、終止形を並べてみると、両方を使うけれども、いずれも後者の方が話し言葉的です。 ところが、「いい男」「いい女」「いい加減」「いい迷惑」「いい年をして」のような連体形の場合は、「よい」は現在ほとんど使われないようです。 「いい」の形は、江戸時代になって、関東あるいは江戸で勢力を得たものと見られていますが、それは上代の「よし」「よき」の転じた口語形「よい」から転じたもので、その間に「えい」「ええ」の形もあったと考えられています。現在も方言では「ええ」が広く使われています(関西弁でよく耳にしますね)。 次に、常用漢字表で「よ-い」の読みが掲げられているのは「良」と「善」の二つですが、この違いについて。 音の「リョウ(リヤウ)」に当たる中国語としての「良」は、「けがれがない」「質がよい」という意味を表し、「良好・良心・良薬・改良・優良」などの漢語として用いられます。 これに対し「善」は、「膳 (みごとにそろった食べ物)」の原字で、音の「ゼン」に当たる中国語としての「善」は、「おいしいごちそう」のことから、「たっぷりとみごとな」という意を表し、後に「よい」という意味に拡大されました。「善悪」「善意」「善行」「善人」「偽善」などの漢語のように、「道徳にかなった」「正しい」という意味を表します。したがって、日本語の「よい」について「善い」と書くのは、「善い行い」「社会のために善いことをする」のように、「道徳的にみて正しい」、つまり「悪」に対する場合です。 それ以外の「よい」の意味の場合、「良い」が (「好い」の意味を含めて) 広範囲に用いられています。 なお、これ以外で「よい」に当てる場合がある漢字として、「吉・快・佳・宜」があります。
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- onemoretime
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nanami17さん、こんにちは。 わたしはやはり#5さんのように「良い」を「いい」とは読めないので、 どうしても「いい」と読ませたいときはあえてひらがなを使います。 それと「良い」と書くときは「悪い」とか「よくない」に置き換えても問題ない場合は使えますが、 置き換えられない場合は反対語がないのですから漢字では表せず「いい」としか書けませんよね。 「~してもいい」なら「いい」にも「良い」(許可を与えるという意味で)にも使えますけど、これが否定する文で 「~しなくてもいい」だったら「良い」を当てると意味がおかしくなりません? 否定しているのに「良い」とは...。 ところが同じ否定文でも否定の意味を後に持ってくると 「~してはよくない」となり「いい」の意味が形容詞であることがわかりますよね。 だからわたしは「~してもいい」の「いい」と「~しなくてもいい」の「いい」は品詞が違うような気がするのですがどうなんでしょう?? (いいからほっといて!なんて言うときの「いい」もわたしとしては形容詞の感じがしないのですが、 でもそういった使い方は辞書を引いてみたんですが見当たりませんでしたのでほんとはすべて「良い」と書けるのかも...) などといろいろ並べてみましたが、わたしは#5さんの意見が一番正しいような気がします(笑) ってちょっと話がそれましたが(^_^;)、nanami17さんのご質問の「いい」はすべて(わたしの思うところの) 漢字で表現できる形容詞の「いい」だと思うので、あとは書き手の気持ちの問題だと思います。 「よい」と読んで構わないなら「良い」と書いてもいいし、くだけた感じで「いい」と読ませたいならひらがなで書くべきでしょう。 漢字では「いい」のニュアンスって伝わりにくいと思いませんか? 読み方がたとえ「いい」と読めたとしても目に入ってきた漢字のニュアンスって強いですよねえ。 あとは逆に、例えば「良」という字の持つ意味をわざと表現したい場合には読み方に関係なく漢字で書く場合もあるのでは?? 正しい読みでなくても、そこをあえて漢字で使う場合も実際にはあるのではないかということです。 まったく書き手の主観で選ばれるものだと思いますよ。 とまったく私的な考えで書かせていただきましたのでご了承ください(笑)
お礼
凄く面白いご意見を、有り難うございました。 書くときにいちいち考えて書くのは、まだご意見を伺ったばかりの私は、 不慣れでできそうにありませんが、ちょっと色々と考えてみたいな! と思いました。 こういう考えは本当に全くなかったので、何だかワクワクする、というか…。 これでまた、文を書くのが愉しくなりそうです。有り難うございました。
補足
>ここにご意見をよせて下さった皆さんへ。 全てのご回答に、納得させられ、魅力を感じ、面白かったです。 質問をして、こんなに愉しかったのは初めてだと思います。 本当に有り難うございました。
- uzuki9
- ベストアンサー率0% (0/2)
なるほど、確かにひらがなが多いように思います。 私自身はメールなどの際、漢字の持つニュアンス? みたいなものを出したくて漢字をを当てることが多いですが、 それすらも個人的な思い入れが入るので、相手には、届いていない場合があるかもしれません。 本の場合不特定多数の人に読まれるわけで、 なので、ひらがなの方が多いのかなって単純に思ってしまいましたが・・・。 あと、「いい考え」「丁度いい」など例に出されていましたが、 そのように漢字の前後にあたる文字なので、 「いい」と記述されるほうが読みやすいっていうのも あるんじゃないでしょーか?
お礼
私も、「いい」と読ませたくても「良い」と書いているので、 多くの人が眼にする出版物に「いい」が多い気がするのが疑問に思ってしまいました。 私は他に「たのしい」「いう」なども、習った通りの字は使いませんが、全て自己満足です。 私は、自分が「良い」を「いい」と読むので、他のみんなも読めるだろう、と 思っていましたが、それに違和感を感じる人がいるかもしれない、という考慮も必要ですね。 出版物では、そういった不特定多数への配慮がきちんとできているのでしょうね。 ご回答、有り難うございました。
- Eivis
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「すき」とか「このましい」ことを表わす[好]の字が「イイ・ヨイ」と打ち込むと【好い】という字になって出てくると知ったのは ワープロを使いだした1985年頃で戦前生まれの私は[イイ]は口語で使っても、文章は[ヨイ]であり[良い][善い]を当てていました。 [好]は「好き」という意味で使っていましたが、戦争中はこのような「軟弱な意味の字」を使うのは嫌う風潮があったと思います。 なにしろ「善」は「真善美」の一をなすもので修身で教わり・・・「良」は将来、御国の為になる[良い子]を表わす[良]なのです。 考えても見て下さい!・・・子供でさえ男と女の子と手を繋ぐなんて非国民のような時代に[女+子]で出来たような字を使うなんて 軍国主義で凝り固まった「世間の雰囲気」が許す訳はなかったのです・・・「好き」とも云えない時代だったのですから!! ~で、むかし使えなかった腹いせに【好い】という字を、最近多用していますが・・・使い方としては不適当かも知れません。
お礼
ちょっと話はずれてしまうんですが、「女」と「子」を合わせて「好き」という漢字を作った 男の人達には、感心させられる、という感じがします。「奴」などは全く逆なのですが… 戦争の時代には、こんなところにも差別(?)があったんですね。 漢字は、教えられるままそこにあるものとしてしか捉えていませんでしたが、 漢字事態の意味を考えて使うと、きちんと使い分けもできるし、もっと愉しくなりそうです。 素敵な回答を、有り難うございました。
こんにちは。 漢字の表記をするかしないかということに関しては、著者の趣味、または編集者の趣味ということも関わってきます。 文章のなかで漢字があまり多くなってしまうと、見た目が堅い、読みにくいという印象を読者にあたえてしまうので、「ひらく」ということもあります。 直接の回答ではありませんが、意味がぼけない範囲であれば、意外と漢字を開いて表記することは多いですよ。 個人的には、あえて漢字で表記することによって、良い(いい、よい)、好い、善いなどの言葉に意味をあまりにも強く持たせてしまうことによって、読者に無用な神経を使って欲しくないので、原稿がまわってきたときには、著者に確認の上で開いてしまいます。 ほかの理由に関しては、nanami17さんの想像どおりで、多分間違いないと思いますよ。でも、書き手によっては、いろいろとこだわりがあるので、一概には言えませんが、だいたい出版されるときには、上記の程度のことが多いですよ。もしよろしければ、どんな意外な漢字が「ひらかれ」ているか、本を読むときに気をつけて見てみてくださいね。では。
お礼
なるほど。 特別な意味が重視されているのではなく、書き手の趣味ということは確かにありますね! 私もある作家さんに憧れて「言う」を「云う」と書きたがったりします…(笑) 小説などにおいてのことは、evidenceさんのご回答ですっきり納得できました。 ご回答、有り難うございました。
私的な考えでいいんですよね。 「いい」は「よい(善い/良い/好い)」のくだけた表現だと思っています。 くだけて表現したい時は、「善い/良い/好い」と書くと「よい」と 読まれてしまうので、あえてひらがなで「いい」と書いています。 >「好い」や「善い」についてのご意見 「好い」はあまり見かけないので使いません。
お礼
私も、「良い」だと「よい」と読んでしまうからかな、と思いました。でも、 「良い」という簡単な漢字をわざわざひらがなにする理由はあるのかな、と思ったのですが。 mocha_blendさんは、ひらがな派なんですね。 「好い」や「善い」には、特に自分で使うことなどは全くないですね。 ご回答、有り難うございました。
- acacia7
- ベストアンサー率26% (381/1447)
ちょっと聞き齧りなのでたいした確信はないのですが。 <「よい(いい)」は和語なので、漢字を無理にあてる必要はない。> ということを聞いた事があります。 同様の趣旨を「漢字と日本人」という本でもみたことがあります。
お礼
そうなんですか。その本、読んでみたいと思いました。 有り難うございました。
お礼
詳しいご回答を有り難うございました。 NO4の方の回答を読み、漢字自体が持つ意味に興味が出て来たところだったので、 余計愉しく拝見させて頂きました。 また、面倒な(?)作業をして頂きまして、本当に有り難うございました。