譲渡制限会社の株を無断で売却

質問

ＮＨＫの連ドラのどんど晴れを見ていて疑問に思ったのですが・・・

譲渡制限会社の株を、取締役会の決議を受けないで、無断で売却することはできるんでしょうか？
また、買い戻すことはできないのでしょうか？

回答No.3

Lariat · ベストアンサー

No.１です。
　「会社が株式の取得を承認しない決議をした場合は、買戻しすることになると考えてよろしいのでしょうか？」について回答させていただきます。
　会社が株式譲渡の承認をしない決議をした場合は、当該株式は当該会社が買い取るか、当該会社が指定する者が買い取ることになる場合が多いです。
　譲渡承認の請求のしかたなのですが、通常は、譲渡承認の請求とともに、「会社が譲渡の承認をしないという決定をした場合には、当該会社が当該株式を買い取るか、または他に譲渡の相手方を指定すること」（会社法138条１号ハ、２号ハ）も併せて請求することが多いです。なぜなら、譲渡承認請求をする株主にとっては、所有株式を処分したいということが一番にあり、売渡し先は誰でもいい筈だからです。この請求があった場合において、会社が譲渡の承認をしないという決定をしたときには、当該会社が当該株式を買い取るか、または他に譲渡の相手方を指定しなければいけません。そして、会社から株式を買い取る者として指定された者は、譲渡承認請求者に対して、指定買取人として指定を受けた旨および買い取る株式の数を通知することになります（会社法142条１項）。この通知を受けた譲渡承認請求者は、１週間以内に会社の本店所在地の供託所に株券を供託しなければならず、またその旨を遅滞なく指定買取人に通知しなければなりません（会社法142条３項）。
　ということですので、譲渡承認請求をする者が名義人であれば株券を所持しているべき者は名義人ですし、譲渡承認請求をする者が取得者であれば株券を所持しているべき者は取得者ということになります。ですから、「会社が株式の取得を承認しない決議をした場合は、即買戻し」ということではありません。

お礼

なるほど！
たいへんわかりやすい回答ありがとうございました！

回答No.2

un_chan

もともと、株式会社は出資の払い戻しの請求ができない代わりに、株式を売却することによって、出資者が資金を回収できる仕組みですから、株式は自由に売却できるのが原則です。
　その例外として、株椎の外部流出を防ぐため、株式譲渡に会社の承認を必要とすることが許されていますが、株式会社という形態をとっている以上、譲渡を無条件で制限することはその本質に反します（それを望むのであれば、株式会社ではなく持分会社とすべき）。
　会社法では、株主の投下資本の回収に配慮して、株主による譲渡承認請求権(136条)、株式取得者からの譲渡承認請求権(137条)や、承認しない場合の会社等による買い取り義務(140条)を定めています。

回答No.1

Lariat

判例によれば、譲渡制限株式が取締役会の承認なくして譲渡された場合は、当事者間では有効ですが、会社に対しては効力を生じないとされています（最判昭48・6・15民集27・6・700）。この場合、取得者のほうから会社に対して株式の取得を承認するか否かの決定をするよう請求することができます（会社法137条）。その際には、名義人との共同請求が原則ですが、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令が定める場合（譲渡承認請求すべきことについて確定判決を受けた取得者、競売による取得者など）には、取得者単独で請求することができます（会社法施行規則24条）。
　買い戻すことは可能ですが、株式の売買価額は、譲渡当事者の協議によることになります。協議が成立しないときは、当事者のいずれか一方が売渡請求をした日から20日以内に裁判所に対し売買価額の決定を請求することができます（会社法144条１項、２項、７項）。

補足

大変詳しく回答していただきありがとうございます！

追加で質問なのですが、会社が株式の取得を承認しない決議をした場合は、買戻しすることになると考えてよろしいのでしょうか？