これは推測の域をむ出ませんが。
ニュージーランドのマオリ族は、アボリジニに比べ狭い地域に比較的多い人口がいました。
(イギリス入植当初の推定人口は、アボリジニ30万、マオリ20万)
人口密度からしますと、圧倒的にマオリのほうが高くなっています。
また、アボリジニは、氷河期にアジアからオーストラリアに渡ってきた人達(オーストラロイド)であるのに対し、マオリは、新石器時代に海を越えてやってきた民族(モンゴロイド)です。
そのため、マオリの場合、かなりの部族社会が渡ってきたときには形成されていたと思われます。
それに対しアボリジニの場合、三々五々であった事と、国土が広かった事もあり、部族化が進んでいなかった事が考えられます。
マオリの言語は、ポリネシアやインドネシアと共通性の高いアウストロネシア語であるのに対し、アボリジニは18世紀300程度の言語があり、その系統は現在でも不明のようです。(言語体系ができる前に集団と分離したと考えられます)
部族化が進んでいる場合、部族として外部の変化に対応できますが、部族化が進んでいない場合、個々で対応しなければならず、種族の置かれる環境は厳しいものになります。
これは、交渉する側も同じで、代表者が明確な場合、代表者との交渉だけですみますが、代表者が明確でなかったり代表者の力が弱い場合、交渉すらままならない事になります。
これは、ラテンアメリカでも同じで、スペイン到達前に文明があったところ(マヤの中心のグアテマラやインカの中心ペルー・ボリビア)ほど原住民は生き残り、原住民が多数派を占めますが、文明の無かったところでは、原住民が絶滅しています。
お礼
良くわかりました。 やはり、文明の高さの違いでそれは人口密度にあったのですね。 アボリジニの場合、言語が多様化し過ぎて意思疎通が図れなかったケースもあったのかも知れませんね。そうであればやはり対等な立場にはならないような気がします。 入植前に文明が既に成立している場合は入植者もその文化に同化し易くなることは想像に難くないです。