※No.1 ~ No.4 のお礼欄を拝読して
Web上の情報をどう取り扱うかに関しては、特許庁の「審査基準」が詳しいです(当たり前ですが^^)。
参考URLの第(2)部「特許要件」の第5章をクリックし、出てきたページをご参照下さい。ただし、PDF形式なのでアクロバットリーダーが必要です。
技術内容が公知になったか否かは、発表の程度によります。
例えば、サッカーのユニフォームや水着等に使用される素材に関しては、今でも開発がなされているようですが、展示会での説明が「これは、今までにはなかった全く新しい素材でできた水着です!」のみに留められており、肝心要の素材が何かを第三者が知ることができなければ、それは水着を発表しただけで、発明である新素材が公知になったとは言えません。
公知にしたいのであれば、サンプル品を守秘義務のない第三者に渡し、その第三者が分析すれば、新素材が何かを解明できる程度にしておく必要があるでしょう。
もう1つ。
「横に走る自動車」も、真横に走行可能な機構が自動車の内部に収められており、その機構は「絶対にお見せできません!」と厳重に隠されているのでしたら、その自動車を展示しただけでは公知にはならないと思います。パネルなどで、「ここの仕組みはこうなっていて、こことこことの構成をこうして……」と具体的に説明することが、「開示」に相当します。第三者が車をじっくり眺めれば、それだけで理解できるような構成であれば話は別ですが。
それと、もう1つ気になったのですが、「周辺技術を特許で抑えられた場合、自分が基本特許を使用できなってしまう」とのご懸念をお持ちでしょうか?
基本特許を取得すれば、他人がいくら周辺特許を取得しても、基本特許の特許権者に無断で周辺特許を使用することはできません(特許法72条)。
例えば、「AとBとCとを有するイス」が基本特許であるとして、他人がその改良発明である「A、B、CとDとを有するイス」や「A、B、CとEとを有するイス」という周辺特許を取ったとしても、この周辺特許は、基本特許の構成要件であるA、B、Cを全て具備しています。このため、いくら周辺特許の特許権者といえども、その周辺特許を実施するためには、基本特許を利用することが必要です。基本特許を無断で実施した場合、基本特許を侵害することになります。
ですので、仮に ejison16 さんが基本特許を抑えた場合、その基本特許に係る発明を改良して周辺特許を取得した第三者は、ejison16 さんに無断でその周辺特許を実施することはできません。
もっとも、この場合、ejison16 さんも周辺特許を使用することはできません。そこで、ejison16 さんが周辺特許を使用したいのであれば、「ejison16 さんが周辺特許を使用する代わりに、周辺特許の特許権者に基本特許を使用させる」というクロスライセンスを結びます。
ただ、相手方の周辺特許が「A、CとDとを有するイス」等というように、基本特許の構成要件を1つでも欠く場合、基本特許の侵害とはなりません。このことにくれぐれもご留意下さい。
お礼
貴重なご意見、情報をありがとうございました。ご回答を拝見していて、あっ、そうか・・と思える点もいくつか出てきました。 1.万一、サイトがなくなってしまった場合、どうなるのでしょうか? (「教えて!goo」はそんなことはないとおもいますが) 2.Webの情報は書き換え可能!これは証拠としてはかなりレベルの低いものになりそうですね。 そういうことを考えると、教えていただいた「公開技法」にお金を払って載せるほうが、ずっと安心でよさそうですね。それから、公知にするということは、大いなるヒントも提供してしまう、という欠点にも気がつきました。 発明を公知にしたいといった場合、ほとんどの人は「公知にはしたいが、知られたくはない」という気持ちが強いのではないでしょうか。なぜなら、多くの場合、余分な費用を削減したいためですから。私が過去に行ったケースは、発明とは全然無関係な展示会で、発明内容を印刷したボードをそっと片隅に置いておき、出展した証拠に写真をとっておくといったこともしてみました。おそらくそのボードを見た人は皆無なのですが、これも「公知」になるのでしょうか? お礼なんだか、追加質問なんだかわからなくなってきましたが、考え始めると、いろいろな疑問点が湧いてきそうです。