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為替差益
仕入コストを安定化させるために導入している為替予約によって生じた為替差益を営業外収益ではなく、原価に織り込むことは可能でしょうか?
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出来ない、とお考えいただいたほうがよろしいかと思います。 まず、会計面では、基本的にはNo.2さんお書きの考え方が妥当するのですが、合理性の判断に際しては原則処理の背景理由を考慮する必要があります。 為替差損益を営業外収益・費用へ計上するのは、それが会社の事業活動から生じる収益・費用ではなく、専ら外部的要因から生じる収益・費用であるからです。そうであれば、為替差損益を事業活動から生じる収益・費用を計上する売上原価区分や販管費区分へ計上するのは、よろしくないこととなります。 ただし、例外的に、有価証券の時価評価に伴う為替差損益については、金融商品会計の定めがありますから、これに従うこととなります。逆にいえば、これ以外に例外的処理が認められるのは、上記の背景理由と異なるケースに限られるといえます。 そこで為替予約について見れば、為替予約そのものは、会社の事業活動に含まれます。他方、為替予約をした後に為替差損益が発生することはありませんから、為替予約により生じる為替差損益は予約をする前の為替変動が原因となっているものといえます。この変動は、会社の事業活動から生じたものではありません。 とすれば、為替予約自体は会社の事業活動の一部であるものの、それにより生じた為替差損益は会社の事業活動と無関係な外部的要因によるものですから、原価に織り込むことはふさわしくない、といえます。 また、それでもなお敢えて原価へ計上したとすれば、商品や仕掛品などの棚卸資産を通じて次期以降へ繰り越される分が生じます。これは、営業外収益・費用に計上したときと比べて経常損益の額が異なり得ますから、決算書数値を歪め得るものと評価することが出来ます。 ここからも、原価計上は好ましくないといえるように思います。 この棚卸資産を通じての収益・費用の歪みは、税務上特に法人税法上も、益金・損金を歪ませることとなりますから、好ましくないものと思います。
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- ok2007
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ああ、なるほど。振当処理に頭が及びませんでした。 手元に『外貨建取引等の会計処理に関する実務指針』が無いので分かりませんが、ヘッジ会計の場合と同様に出来るかもしれません。 お役に立てず申し訳ありません。 newcinemaさん、フォローに感謝いたします。
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ご回答有難うございます。 大変助かりました。
- newcinema
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ちょっと、皆さん待ってください。 これって要するに、振当処理をしたい、というお話ではありませんか? だったら、ある一定の要件をもって「できる」が正しいですよね。繰延ヘッジ処理でももちろんできます。 質問者様も、ご自分で金融商品会計の実務指針が読める方ならこの程度の処理は調べられると思いますが、いかがですか? 外貨建取引等会計の実務指針にでていますし、簿記の学習書でも出ているものです。
お礼
ご回答有難うございます。
- gutoku2
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為替差益(損)の勘定処理 法人税法 差益の場合は原価の"マイナス"として計上されるのですから、結果として益金 となります。よって継続性があれば問題はありません。 (状況によって営業外損益に変更してはいけません:継続性) 消費税法 課税対象外(不課税)処理をしますので、どちらの勘定で行っても特段の問 題は発生しません。 企業会計(会計規則) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E4%BC%9A%E8%A8%88 法律ではありませんが、一応の決まりがあります。 原則としては営業外損益ですが、御社にとって合理性があり株主に誤解を与 える事がなければ、継続することを条件に変更しても問題ありません。 http://financial.mook.to/accounting02.htm
お礼
回答有難うございます。 大変助かりました。
- zorro
- ベストアンサー率25% (12261/49027)
どちらでも構いません。変更するにあたっての理由があり以降継続して処理するのであれば問題はありません。
お礼
回答有難うございます。 参考にさせて頂きます。
補足
ご丁寧な回答、有難うございます。大変助かります。 恐縮ですが、もう一点質問をさせて下さい。 上記の例はドル決済のある輸入企業の例ですが、次の事例についても教えて頂ければと思います。 例えば、銅の地金を仕入ている企業が銅価格の上昇により仕入コストが上昇するリスクを負っている。そのリスクをヘッジするために銅アベレージスワップというヘッジ商品を導入し、ヘッジ会計を適用した場合、ヘッジ商品によって生じる差額決済額(円での受取か支払)は、金融商品会計実務指針#170(1)によると、原価に織り込むことかが可能となっていますが、この場合と為替予約の場合はどのような点で異なるのでしょうか?