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薬品(粉)の錠剤化
いつもお世話になります。 よく薬が粉末状の物と錠剤状の物と2種売られています。 粉末状の物を見ると、そのままプレスしただけではとても固まらないような気がします。 どのようにして重量のバラツキもなく固めているのでしょうか。 今、私が取り扱おうとしている粉末も金型に入れて錠剤状にしようと考えています。 粒子サイズはμmオーダーの水に溶ける有機物です。 是非お教え願います。
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70633さんのアドバイスが実際的で、これと重複してしまいますが、もう少し詳しく回答させていただきます。 錠剤を量産するのでしたら、やはり打錠機が必要になります。 ただし、実験室レベルの単発式でも数百万はします。(中古で探せば、安いのがあるかもしれませんが。) 以下、少々細かいことを申しますが、医薬品でなければ(内容量のばらつきなど)結構アバウトな錠剤でも許されるかと思いますので、粉末の性質が素直なら、(やってみなければわからないとは思いますが、)実際には難しいことを考えなくても、わりと簡単にできてしまうかも知れませんことをはじめにおことわりしておきます。 まずは、原末に加える物についてですが、 【賦形剤】 紛体を扱いやすくするために、一錠あたりの原末の含有量が少ない場合、あまり錠剤が小さいと扱いにくいですし、一錠あたりの重量のばらつきが大きくなってしまいますので、粉のかさを増やす増量剤として添加します。 最も一般的なのは乳糖ですが、その他澱粉などを用いたりもします。 【結合剤】 錠剤をしっかり固めるため(成形のため、また包装や輸送・使用時の錠剤の欠けを防ぐため)に、澱粉やセルロース系の粉などが使われます。 【崩壊剤】 錠剤が体内で溶けずに、そのまま排泄されてしまっては意味がありません。 飲み込まれた錠剤が水分を吸って、胃の中できちんと崩れるようにするために加えます。 一般に、ゼラチンなどの水溶性高分子や澱粉などが用いられます。 【滑沢剤】 錠剤を打つ際に、粉の流れ(流動性)が悪いと工程がスムーズに進みませんので、これを改善するために用います。 (グラニュー等のようなサラサラした粉なら良いのですが、小麦粉のようにモコモコしていると、扱いに難儀しますので。) また、杵や臼に錠剤がくっつかないようにする効果もあります。 代表的なものとして、ステアリン酸マグネシウムやタルクなどが使われます。 続いて、粉の扱いについてです。 【粉の混ぜ方】 大量に扱うなら、V型混合機などの専用の装置があります。 少量なら、一番簡単な方法としては、大きなビニール袋に粉を入れて、(空気が入った)ふくらんだ状態でこぼれないように口をしっかり閉じて、振り回してやる方法もあります。 量が多いと汗だくになりますし、後で筋肉痛(下手をすると腰を痛めます)を起こすかもしれませんので、注意してください。 なお、粉を混ぜるのにもそれなりの注意が必要です。 混ぜる粉の特性が違うと、なかなか均一にはなりません。 例えば、重くて粒度の小さい粉と軽くて大きな粉を混ぜると、細かいものが下に沈んでしまいます。 このようなことを防ぐために、事前に粉の粉砕や、逆に粒度や特性を変える操作(造粒といいます。混合後の粉の流動性を改善するためにも行ったりします。)が必要なことがあります。 【粉の乾燥方法】 本格的には、流動層乾燥機という装置があります。 また、内容物が熱に弱い(化学分解する)場合は、凍結乾燥を行ったりもします。 比較的簡単に行う場合は、粉を紙の上に広げて、温風を循環させる乾燥機を使う方法もあります。 その他、粉砕や造粒・練合、できた錠剤の(崩壊性などの)評価など、説明をしだすときりがありませんのでこの辺で終わりにします。 (なお、混合後の粉の均一性や錠剤中の成分の含有量まで調べようとすると、分析技術や装置まで必要になってきます。) 錠剤の製造(特に紛体の扱い)は、やってみなければわからない場合が多々あり、(もちろん基本的な知識は必要ですが、)実際にはなかなか教科書どおりにはいかない職人芸の世界です。(知識以上に経験がものをいいうようです。) 場合によっては、外注してしまう方が簡単かもしれません。(製造方法の検討までやらせると、かなり高くついてしまうかもしれませんが。) 製造を受注する業者についてはよく知りませんが、こんな本が出ています。(かなり高い!) http://www.seedplanning.co.jp/report/medic/files/y_i6.html とりあえず、紛体の教科書のURLを見つけましたので、参考に載せておきます。(箇条書き程度の記載しかありませんし、実際には必要無いような難しいことも載っていますが、) http://www02.u-page.so-net.ne.jp/xc4/hikaru/Pages/sheet.html 薬剤2鬼の再試対策SPECIAL.pdf(pdfファイル) 詳細に調べたければ、薬剤学とか製剤学(あるいは紛体工学)の教科書を探してみてください。 錠剤の製造(製法の検討)を見たことはありますが、自身での経験はありませんので、一般人として回答させていただきました。
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>のままプレスしただけではとても固まらないような気 固まるように成形助剤を入れています。砂糖とかセルロース系糊とか。ただ.加える圧力が中途半端なものではないので.こちらの影響も大きいです。ソーダ(水溶性)が多い場合には.松脂とか機械油とかを成形助剤に添加します。 >どのようにして重量のバラツキもなく固めているのでしょうか 一定量を計って.型の中に入れています。 私の場合には.粉末粘土をプレス成形(例タイル)するときの関係で調べました。乾燥剤を自分で作るために使っている方にお会いしたことがあります。水(かそざい)が多少入っても良いのであれば.普通のブレス(10-50トン)でできますので.簡単です。
- 70633
- ベストアンサー率34% (295/847)
薬剤の世界では、錠剤を形成するのに、打錠機(だじょうき)という機械を使います。 原理は、凹んだ型(臼[うす]といいます)に粉を入れ、 凸型の型(杵[きね]といいます)を、数百kgから数tの力で臼に打ち込みます。 量は、臼の深さで決めます。型は超硬な金属でできています。 打ちあがれば、臼の底がせりあがり、型から錠剤を抜きます。 多くの錠剤は、1錠あたりの有効成分はmg単位ですので、その他の部分は 賦形剤(ふけいざい)という、錠剤を形作りやすい成分です。 賦形剤には、いろんな種類がありますが、代表的なものはデンプン類です。 トローチなどは、砂糖を賦形剤の代わりにします。 型から抜けやすくするための滑沢剤や、固めやすくするための粘着剤を 混ぜる場合もあります。 打錠機は、テスト用の単発式から、工業用の日に数万錠打てるものまで有ります。 工業用は、円形になっていて、ぐるぐる回りながら打錠します。 錠剤1錠に何千kgも圧力をかけるので、すごい音がします。 工業用などは、ものすごい騒音です。 打錠機・打錠で検索するといろいろヒットしますよ 打錠機メーカーのURLを紹介しておきます。
- 参考URL:
- http://www.kikusui.com/
お礼
有り難うございました。 参考にさせていただきます。 賦形剤の加え方、乾燥方法が分かるといいなと思っています。
- rei00
- ベストアンサー率50% (1133/2260)
ペーパー薬剤師です。私も,むか~し習いました。 で,詳細は「日本薬局方」やその解説書を御覧頂くのが1番なんですが,概略のみ記載しておきます。 【錠剤】 医薬品を一定の形状に圧縮して製したもの。医薬品をそのまま,又は賦形剤,結合剤,崩壊剤若しくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和したものを,顆粒状とした後。滑沢剤などを加え,圧縮成型する。
- ADEMU
- ベストアンサー率31% (726/2280)
大学の時実習で作りました。(薬学では必ずやります) 賦形剤というものを加えて十分に撹拌、混和して均一にした後、型にはめて打ちます。 さらにコーティングしたいときは滑沢剤を加えてごろごろ転がします。 参考URLを参照してください。
お礼
早速お教えいただき有り難うございました。 賦形剤の添加は量産時にはどうやるのかなと思いました。
お礼
本当に詳しくご紹介いただき有り難うございました。