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最高裁裁判官の判決には自己保身の影がちらつくのですが?
最高裁裁判官の任命権は政府が握っていますね。 国家の施策に対してのいろいろな裁判で、最高裁の判決は、どうも行政有利の判決を“出しがち”のような気がします。 国家に盾突く判決は出しにくい、最高裁の裁判官も所詮人の子という印象を 受けますが、どうなのでしょう? もしそうならば三審制といっても結局最高裁では覆るということで、形骸化しているような気がします。
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確かに最高裁判事の任命権は、内閣にあります。 ですから、ある程度内閣の意思を反映した人選になる可能性はあるでしょう。 ただ、最高裁判事は、プロ裁判官からだけでなく、検察官、弁護士、行政官、外交官、学識経験者(法学の教授等)からも選ばれます。 多様な意見を反映させようと、慣例で枠が決められているのです。 長官も含め15人いる最高裁判事の内訳は、裁判官出身6人、弁護士出身4人、検察官出身2人、行政官出身1人、外交官出身1人、大学教授出身1人というのが慣例です。 特に弁護士出身判事が退官する場合の後任選びは、実質的には内閣ではありません。日弁連の推薦をそのまま反映するのが慣例です。 ですので、日弁連が思いっきり反日的な弁護士を推薦してきても、内閣は断ることはまずありません。 ただ、弁護士出身枠は15人中4人(26.7%)なので、他の出身分野の判事に保守的な人物を選べば大勢に影響を及ぼすことは普通はありません。 しかしながら、定年の70歳まで多くは10年程度務めますので、前の(主義主張の異なる)内閣が任命した判事が長く影響を及ぼすこともあります。 いずれにせよ、確かに内閣は最高裁判事の任命権は持っていますが、罷免権はありません。 内閣総理大臣は国務大臣の任命権と罷免権の両方を持っています。 憲法第68条には「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。(後略)」との規定に加え、次の第2項で「内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。」とあります。 しかし、裁判官の場合は異なります。 憲法第78条には「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。」とあるので、内閣が任意に最高裁判事を罷免することはできません。 こんなわけで政治的な影響が全くないというわけではありませんが、時の政権の考え方にリンクするという仕組みにはなっておらず、むしろ、三権分立の考え方から、内閣に任命権を与えているものの、なるべく政権の影響を受けないような仕組みになっています。影響を与えるためには長い時間が掛かるようにしてあるわけです。 確かに、行政裁判の場合、行政側が勝つことが多いですが、それは行政サイドが施策を出すに当たって、訴訟に耐えられるかどうか十分検討しているからだと思います。基本的にはその法令・施策の所管省庁が、最終的には内閣法制局(いずれも法律の専門家)が入念なチェックをしています。 もちろん、国側が負けることもあります。 それは、完全に国側のミスというのもあるでしょうが、別の視点でいうと、国の施策がスタートしてから、問題が発生して、提訴に踏み切るまでには既に何年も何十年も掛かっていますし、さらに最高裁までいくにも相当年数が掛かりますので、施策スタート当時とは時代環境が変わってしまい、もはや当時の考え方は通用しなくなってきた、という背景もあるかもしれません。 いずれにせよ、 >最高裁の裁判官も所詮人の子 >三審制の形骸化 というのは、原告側としてはそういいたくなるかもしれませんが、そこをフェアにジャッジするのが裁判所ということです。 負けた方は必ず「不当判決」と言います。 マスコミは必ず「原告=正しい」「被告(国)=悪」という感じで報道するため、一般人はついつい「国は控訴せずにさっさと賠償金を払ってやれよ」などと思ってしまいます。 しかし、忘れてはならないのは、被告の「国」というのは、直接的には行政機関のことですが、実は我々国民一人一人が訴えられているということです。 つまり、損害賠償金は我々が納めた税金から支出されるわけであり、税金を支出する以上、因果関係をはっきりさせなければなりません。 そうでなければ、極論すれば、世論に同情を求めるだけの単なる「言い掛かり」に、大切な税金を奪われるかもしれません。 「言い掛かり」ではない、ということを証明しなければならないわけです。 ですので、本当に法律的に問題があったのか、科学的に因果関係があるのか、時間が掛かっても調べることは必要です。 個別具体的な訴訟一つ一つをミクロにみていくと、様々な感想があるでしょうが、我が国の司法制度全体をマクロでみると、かなり精緻に綿密に事実調べをしていると思いますよ。でも余りにも時間が掛かりすぎますよね。
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- nep0707
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私は、たいていの判決は行政機関も一市民も対等に見た結果だと理解しています。 そして、憲法76条3項にあるとおり「良心に従い独立に」考え 「憲法及び法律にのみ拘束される」姿勢を貫いた結果だと考えています。 なもんで、結論だけ見ると「国をひいきした?」と思える判決でも、 内容をきちんと分析すると、筋の通っているものがほとんどだと思います。 でも、判決を論評する側はそうじゃないですよね。 たいてい「行政=強者、一市民=弱者」というバイアスがかかっています。 強者に厳しく、弱者に優しい姿勢ってのは、まぁ受けを取りやすいわけでして…。 裁判官を拘束するのは「憲法及び法律のみ」なんだから、 そういうバイアスはむしろ弊害ですらあるはずなのに… 中には「?」と思う判決もなくはないですが、 そんな判決は巷言われているよりはずっと少ないと思います。 1つ言えるのは、 「判決を評価するなら、必ず判決文を直接読もう、マスコミ報道は信じるな」 ということです。 これは私自身がくどいくらいに叩き込まれたことでもあります。
- funoe
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具体的にはわかりませんが、最高裁の判決があなたのいう「行政不利」であったときに生じる現実の混乱が大きすぎるとき、「大人の判断」をすることが多いような気はします。 例えば「自衛隊はその存在自体が明らかに違憲だから、本日限り、自衛隊関係の支出(隊員への給与も含み)は一切停止する」なんて判決はださないでしょうね。 それは任命権がどうしたとかでなく、国家権力を担う、責任ある日本人の判断として、なにが正しいかを考えているからだと思います。 一見理不尽に感じても(あるいは一部の人に理不尽でも)、日本国全体として合理的であるような判決をだしているのではないでしょうか?
- Tacosan
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最高裁判事に任命してもらったから行政有利の判決を出しやすいのか, それとも行政有利の判決を出しやすい人だから最高裁判事に任命されたのか....