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スギの種子散布についいて

自分は今大学で農学系の分野を勉強しています。 そこで授業などでいろいろやってて思ったのですが、 スギの花粉は誰もが知っていう通り風によって運ばれますよね。 でも、スギの種子の散布の仕方も風によって遠くに運ばれる ものなのでしょうか? 風によるものであるとか動物によるものであるとか知っている方 いらっしゃったら教えてくださいm(_ _)m

みんなの回答

回答No.2

典型的な陽樹の戦略、典型的な陰樹の戦略というものがありますが、そこに該当しない樹木も多数存在します。スギに関しては陽樹的な性質を持ちますが、非典型的と考えられるのではないでしょうか。 典型的な陽樹は、光が存分に得られる環境で、できるだけ速く生長することで他の植物の上に葉を広げ、他の植物を圧倒する植物です。これは山火事や、洪水などにより、環境が攪乱されたときに有利になる戦略です。いわゆるパイオニアプランツと呼ばれる植物がこの戦略を持っています。この戦略を持つ植物は、光が少ない環境に耐えることができないので、ゆっくり育ってくる、光の少ない環境に耐えられる植物が育ってきたときに、競争に勝つことができません。人の世に例えると、ベンチャービジネスです。 そして、このゆっくり育ってくる光の少ない環境に耐えられる植物、が典型的な陰樹です。大量生産大量消費型の陽樹と違い、陰樹はとにかく節約、節約。たとえば常緑の樹種なら、一度つけた葉っぱは一年で枯らすような無駄はしません。同じ常緑といっても例えばクスノキの葉っぱは1年使いきりですが、モミノキの葉っぱは数年間使い回されます。収入が少ない環境を生き抜くのが陰樹の生き方です。始末して始末して、やがて主流になります。 で、スギはどうかと見ますと、競合する樹種に覆われたとき実生が生残ることができないので、典型的な陰樹ではありません。かといって、まだ商売敵がいないところで商売をする陽樹の戦略もとっていません。ということで、誰も商機と思わないところで生き延びる、隙間産業でしょう。

-Memento-Mori-
質問者

お礼

いろいろと丁寧にありがとうございましたm(_ _)m だいぶ勉強になりました。

回答No.1

スギの種子は扁平で軽く、風で運ばれるようにはなっていますが、それほど遠くに種を飛ばす訳ではありません。ですから、スギ林を伐採したあと、2代目のスギ林を、苗を植えずに作ろうとするときには、親になる木を何本か残します。これを天然下種更新(テンネンカシュコウシン)といいます。 スギの元々の自生地は、常に霧に覆われた岩山の尾根など、水分は豊富だが土壌の発達が悪く、他の植物が入ってこないような環境です(スギは水が不足するとすぐ枯れてしまう植物です)。屋久島とか隠岐などはまさにそういう環境です。こういった環境はランダムに突如出現したりしませんので、種をあまり遠くに飛ばすことは無意味です。むしろ、親の木のそこそこ近くに種を落とした方が有利でしょう。 スギの芽生えは他の植物が多数生息するところでは競争に負けてしまい、生き残れません。でも、草に覆われたり蔓に覆われたりすることがなくなるまで下刈りをしてやれば、立派な林に育ちます。いまスギ林がこんなに多いのは、こうした保育施業のおかげなのです(花粉症の方は、ヨケイなことを、とお思いでしょうが)。そして今、スギが主に植えられているのは、水分の豊富な谷筋なのです。

-Memento-Mori-
質問者

補足

詳しく丁寧にありがとうございます!!m(_ _)m スギの本来の生育地は結構限られた場所ってことなんですね。 あと、もう一つ聞きたいのですが、スギって陽樹と陰樹のどちらでしょうか?ネットで調べても出てこないので教えてもらえたらうれしいです。

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