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殺人罪?保護者責任遺棄致死?業務上堕胎罪?

たとえ同意を得ていても妊娠満25週を越えているのに堕胎をしたら、堕胎罪が適用されると思うのですが、 例えば、妊娠満25週を越えていて堕胎をするつもりであったが 生命を持って生まれてきてしまった。母親が育てる気が無かったため 医者が新生児をそのまま放置して死なせてしまった場合は 殺人罪、保護者責任遺棄致死罪、 業務上堕胎罪のどれが適用されるのでしょうか? 私が考えたのは保護者責任遺棄致死なのですが、 どれが適当なのでしょうか?お願いします。

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noname#61929
noname#61929
回答No.1

死なせるつもりで放置したなら不作為による殺人罪です。 保護責任者遺棄致死罪はあくまでも「死なせるつもりはなかったが放置したら死んだ」場合です。 死の認識がありそれを認容している以上、故意があります。そして「新生児を何もしないで放置すれば死ぬのは確実でしかも出産を取扱った医師は然るべき処置をすべき法律上の義務がある」のですから、作為義務も認められ、且つ、然るべき処置をできたはずなのですから作為可能性もあります。にもかかわらず然るべき処置を採らなかったのですから不作為に実行行為性があります。従って、他に特段の事情がない限り、殺人(既遂)罪です。 なお、業務上堕胎罪の成否は別問題です。 最初に注意しておくと、母体保護法に定める「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期」というのは現在では妊娠22週未満となっているはずです(厚生事務次官通達平成2年3月20日)。そうすると、22週目に入るともう母体保護法に基づく人工妊娠中絶はできないことになります(ちなみに25週というのはないと思います。この通達の前は24週未満だったので、24週目からもはや駄目です。その前は28週未満でした)。 そこで「(業務上)堕胎罪」を考えると、「堕胎」の意義が問題になります。一般的には「自然の分娩期に先立って母体外に排出させる行為」は「堕胎」になります。しかし、「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期」においてという限定を付けるべきであるという主張もあります。これは「母体外で生命を保持できる時期に至っているのならば自然の分娩期に先立って母体外に排出させてもそれだけでは直ちに胎児の生命に危険がないのだから堕胎罪を論じる前提を欠く」ということによります。もし仮にこの主張を採用すれば、本件設例では「堕胎」には当らない事になります。つまり(業務上)堕胎罪は成立しないことになります。 この限定を付けなければ「堕胎」に該当することになり、業務上堕胎罪の成立の可能性があります。成立する場合には殺人罪とは別罪を構成し、理由は省略しますが、両者は牽連犯ではなく併合罪の関係になると解するべきです。

otyatya622
質問者

お礼

お礼が遅れて申し訳ございません。 業務上堕胎罪が成立しない可能性もあるんですね。 参考にさせていただきます、ご回答ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • un_chan
  • ベストアンサー率60% (219/365)
回答No.2

 概ね、whoooさんの見解に賛成ですが、質問の事情からだけでは、未必の故意による殺人(不真性不作為犯)か、保護責任者遺棄致死(真性不作為犯)かの認定は、微妙かと思われます(レポートであれば、両論について検討すれば、結論はどちらでもよい)。  また、堕胎罪について、人工妊娠中絶が認められない時期であるから、堕胎罪にならない可能性があると書かれていいるようにも読めますが、むしろ、人工妊娠中絶にあたる時期を過ぎていることは、違法性阻却の要件を満たさないことの判断に使われるべきではないでしょうか。  堕胎罪は危険犯ですから、胎児が客観的に生存可能性を持って生まれたかどうかは、犯罪の成立に直接関係しないと考える方が自然だと思います。  質問は、おそらく、最決昭和63年1月19日(刑集42-1-1)を念頭においた課題だと思われますが、本判決は、 「被告人は、産婦人科医師として、妊婦の依頼を受け、自ら開業する医院で妊娠第二六週に入つた胎児の堕胎を行つたものであるところ、右堕胎により出生した未熟児(推定体重一〇〇〇グラム弱)に保育器等の未熟児医療設備の整つた病院の医療を受けさせれば、同児が短期間内に死亡することはなく、むしろ生育する可能性のあることを認識し、かつ、右の医療を受けさせるための措置をとることが迅速容易にできたにもかかわらず、同児を保育器もない自己の医院内に放置したまま、生存に必要な処置を何らとらなかつた結果、出生の約五四時間後に同児を死亡するに至らしめたというのであり、右の事実関係のもとにおいて、被告人に対し業務上堕胎罪に併せて保護者遺棄致死罪の成立を認めた原判断は、正当としてこれを肯認することができる。」 としています。  本件では、そもそも殺人であるかどうかが争われていないのですが、最高裁判所判例解説(刑事編昭和63年度1ページ)では、「殺人罪も成立すると解するべき」としています。  最判解説には、保護責任者遺棄についても詳しく解説されていますので、一読されることをお勧めします。

otyatya622
質問者

お礼

お礼が遅れて申しけございません。 判例読みました、殺人罪は争われていないんですね。 参考にさせていただきます、ご回答ありがとうございました。

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