本語訳で読んだことがあるので、少し感想を。
かなり以前に読んだので、うろ覚えですがその点ご容赦ください。
この本は、「ソフィーの世界」という題の通り、「哲学の世界」を小説風に紹介している本です。
主人公の名前である「ソフィー」は、哲学をあらわすギリシア語「フィロソフィー(philosophy)」からきています。
つまり、「哲学の世界」となるわけです。
この表題の通り、哲学の変遷をその時代ごとに著名な哲学者を選択して、謎の「先生」が手紙で講義してくれるという形で物語が進行します。
物語が「謎の先生との手紙でのやりとり」というミステリー風に仕上がっているため、ついつい「物語の世界」に引き込まれてしまいます。
しかし、後からよくよく考えてみると、代表的な哲学者の選択においてハイデガーがをはじめとした代表的な哲学者がいないとか、少し偏りが見られる気がします。
これは、後々の「ソフィーの世界」批判をした哲学者に攻撃される材料でした。
しかし、それは後で哲学史を少しかじった時に気づいたことでした。
そして、哲学史に興味を持ったのも、この「ソフィーの世界」がきっかけです。
「哲学に興味を持たせる」というのが、著者の目的なら、その目的は十分に達成されたわけです。(私には)
総合的な感想ですが、「哲学」をメインテーマにした「小説」としては面白い。なかでも、結末のどんでん返しは、正に「小説的」であり「ミステリーの醍醐味」を味わえました。
反面、「哲学」がますますわからなくなる。少し逆説的ですが、「哲学なんて本当はわからないものだ」というのがわかる本ですね。
以上、映画の感想ではないですが、参考になれば幸いです。
お礼
大変勉強になりました。