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古典文法に関する質問です。
今昔物語に 「形いつくしかりければいみじくかなしく愛し思ひけるが」という文があって、訳は 「顔立ちが整っていたのでたいそう可愛がり大切に思っていたが」となっています。 この場合の「愛し」は形容詞「愛し」の連用形「愛しく(いとしく)」の省略表現ですか?
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「愛し」は、サ変動詞「愛す(あいす)」の連用形です。 形容詞「愛し」の連用形「愛しく(いとしく)」の省略表現ではありません。そんな現象はありません。 直訳しようとするとやっかいなのですが、 「形いつくしかりければ、いみじくかなしく愛し、思ひけるが」 「顔立ちが整っていたので、たいそう可愛がり、大切に思っていたが」 のように考えればわかりやすいのではないかと思います。 古語辞典でご確認ください。 余計なことを申し上げて失礼ですが「締め切り」をお忘れなく。
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- Parismadam
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No.1です。訂正です。 中世に「愛す」を「あいす」と読む用法があるのを失念していました。ここは、No.2の方のおっしゃる通り、サ行変格活用の連用形が正しいと思われます。 2度手間になり、失礼しました。
お礼
どうもありがとうございました。
- Parismadam
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こんにちは。英語では何度か回答させていただきましたが、古文でも頑張っておられるのですね。 この「愛し」はご理解の通り、形容詞シク活用の連用形「愛しく」の「く」が省略されたものです。「思ひけり」の用言を修飾する連用修飾語の用法として使われています。 「愛し」のような形容詞シク活用は、大和・奈良時代にはその終止形、連体形の語幹がそのまま体言を修飾できました。この例文も「思ひ」を体言ととらえればその用法とも考えられますが、ここでは「思ひけり」は「けり」という完了の助動詞からも用言と断言できますので、この「体言にかかる終止形、連体形の語幹」という用法の可能性は却下されます。それに今昔物語は12世紀初期の作品ですから、この時代にこの用法は通常は使われていません。 従って、ご推察の通り、連用形の省略となります。この和歌では、「いみじく」「かなしく」「愛しく」と同意の連用修飾語を連発して「愛しさ」を強調しています。最後の省略は、シク活用の重複を避けるために使われた便法でしょう。許容範囲の省略です。 以上ご参考までに。
お礼
ご解説ありがとうございました。