統計力学。最も確からしい値について
著者: 久保亮五 大学演習熱学・統計力学 修訂版
P239 問18 からの質問です。
単原子分子N個からなる理想気体が温度Tのカノニカル分布をもつとき、その全エネルギーEの最も確からしい値E*を求め、カノニカル分布による平均値E'に一致することを確かめよ。
という問題の解説で、
理想気体の状態密度はE^{(3N/2)-1}に比例することが分かっているので、
exp(-E/kt)E^{(3N/2)-1} = max
を与えるE*は、(N>>1)両辺の自然対数をとって
-E/kT + 3NlogE/2 =max
から、両辺をEで偏微分すると、
-1/kT + 3N/2E* =0
となり、E*=3NkT/2 となる。
なのですが、最初の
exp(-E/kt)E^{(3N/2)-1} = max
の意味がわかりません。
なぜ状態密度とボルツマン因子をかけたのでしょうか。
最も確からしい値α*というのは
エントロピー S(E,N,V,α)=max
になるということでした。
エントロピーというのはボルツマンの関係式から
S=klogW (W:エネルギーがE~E+ΔE 中に存在しうる微視的状態数) です。
また、Wというのは状態密度Ωを用いるとW=ΩdE です。
自分が思うに、
exp(-E/kt)E^{(3N/2)-1} の部分はWのことだと思いました。
しかし、ボルツマン因子に状態密度をかけたものが状態数になる意味がわかりません。