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相続時の解体費用、建築費評価
男3人兄弟の次男(私)が、実家の老朽化に伴い親と私たちの2世帯住宅を建て替えました。(建て替える前から同居していました)。費用は子世帯が全額払っています(名義も子世帯名義)。相続するときにもめないように遺産分割の方法を検討するようになりました。 悩んでいるのは家の解体費用と親世帯にかかった費用をどう見積もるかです。解体費用は更地にするためにも必要なので相続時に考慮されるべきと考えています。更に2世帯住宅も風呂トイレキッチン全て別となっているのでそのために余計にかかったお金も(実際に余計にかかった費用の5分の1程度)できれば相続の際に考慮されてもいいのではないかと思いますがどうでしょうか?
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土地の名義はお父上のままで、質問者名義の2世帯住宅を建てた場合、「寄与分」をどう公正に評価するかという問題と理解しました。 親の土地に2世帯住宅を建てる場合は、親子が資金を出し合って建てその負担割合に応じて共有名義とするのが一般的で税法上もこうすることが要請されます。これを逆向きに考えると、親が負担すべき資金を質問者さんが全額負担しているとすれば、本来親が負担すべき金額が質問者さんの「寄与分」であり、相続の際には相続財産からこの寄与分を控除した相続財産について相続法を適用すべきということにすることが合理的ということになるでしょう。 この2世帯住宅の価格評価が第一のポイントでしょう。質問者さんがおっしゃるとおり、2世帯住宅の評価額は建築費用にとどまりません。所得税法では「取得価格」というものです。所得税法でいう取得価格は法令で細かく規定されていますが、簡単にいうと「現在使用していた建物からこの場合の2世帯住宅への立替に要したすべての費用」となります。 解体費用は当然のこと、建築期間中の借家家賃、引越し費用、はたまたローンを組んでいた場合は、借り入れ開始時から居住開始までの間負担した金利(元本は不可)まで取得費用に計上できます。忘れてならないのは、庭園植栽費用、門塀・上下水道電力電話回線工事費用、登記費用、司法書士手数料、不動産取得税など建物建築契約に含まれない費用も取得費用に入ることになります。これらのすべての合計が「この2世帯住宅の取得費用」ということになります。ただしこれらの費用をすべて計上するか否か、どの費用を計上するか、は質問者さんの自由ですべて計上することが義務では全くありません。 次に建築図面を取り出し、質問者さん家族が専用使用する部分、ご両親が専用使用する部分を色分けします。共用する部分はその2分の1を双方の専用使用面積に加えます。こうすると、ご両親と質問者家族の共有割合が計算できます。 建物の取得費用にご両親の共有持分割合を掛けた金額が、本来ご両親が負担すべき金額で、これを質問者さんが全額負担したのですから、これが2世帯住宅建築に伴う「寄与分」となることになり、相続財産からこの金額を控除しても他の相続人の方が異論を挟む余地はないものといえるでしょう。 取得価格については「所得税確定申告の手引き」(税務研究会出版局発行)などの本で確認されると良いでしょうが、法律を振り回して細かい費用を計上するとご兄弟に鼻つまみにされかねませんから、細かい費用は負けてあげるとよいでしょう。 なお相続税に関しては所得税法上の取得価格の議論は出来ず固定資産税評価額で決定されます。(そもそも所得税法の取得価格で相続税を計算すると評価額は大きくなりますから大損になります。税務署資産税課に上の議論を絶対振り回さないで下さい。もっともこの2世帯住宅は質問者さんの名義ですから、相続税法上の相続財産とはなり得ません。)遺産分割の際は、上の取得価格マイナス固定資産税評価額が、厳密な意味での質問者さんの「寄与分」ということになります。 難しい説明になりましたが、お判りいただけました?なるべく正確に回答しようするとこうなってしまいましたこと、お許し下さい。
お礼
早速のお返事ありがとうございました。 とてもわかりやすい説明でした。とても助かります。ありがとうございます。