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誤差の検討?
大学で化学を学んでいるものです。 「実験での誤差の検討をせよ」 というものが今まで度々でているのですが僕はいつも、 「理想の値から○○だけ離れているのは●●のためである。」 などと、これで良いのか?と言う中途半端な回答をしていました。 もう少し検討したいのですが、着眼点のヒントや、誤差だったらこういうところをまず考えるな、というものがありましたらご教授願います。
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化学の実験ですと、合成系の実験と物理化学的な実験で、話は違ってくるかなと思います。合成実験ですと、反応率が100%になる保証がありませんので、生成物が出発原料から予想されるより少なくても、単純に反応が進んでいないというような話で終わりになりうるだろうと思います。 一方、物理化学的な実験では、原理的には理論的に導かれる値になりうるわけですので、差を反応率には求められなくなります。 この時行うことは、まず、測定の不確かさから実験で求めた値のエラー範囲を求めることです。単純には相対誤差法(http://www.base.ibaraki.ac.jp/ butsurijikken/pdf/RelativeError.pdf )を用いて、エラー範囲を見積もれば良いでしょう。もし、理論値と実験値がエラーの範囲でおさまれば、まあ、あまり考察の必要なく、「エラーの範囲で一致」でOKだと思います。 エラーを越えた場合は、誤差を考える必要があります。例えば、原因が試薬の純度だったと考えるとします。この時には、試薬の純度が、どのくらい狂っていたら最終的なエラーを説明出来るかを計算して、それが、妥当な値であるかを検討して下さい。数値の裏付けがない説明は感想でしかありませんので。 ここで、重要なことはエラーの原因は決して1つではないことです。ですから、1つ理由を見つけて安心しないで下さい。そのためにも数値の見積もりは必要で、いくつかの理由で誤差の範囲に収まるまで理由を出すことが理想です。出す順番は影響が大きいと考えられるものからです。この訓練は、あなたが卒論や修論で実験が理論からはずれる時に、どこから手をつけるべきかを判断する訓練になるでしょう。 最後に一つ、理論値は理論の適用範囲を間違えていると正しいとは限らない値になります。また、量子化学計算ででた物性も必ずしも正しいものではありません。それらを疑うことも忘れずにして下さい。
お礼
回答ありがとうございました。 >数値の裏づけがない説明は感想 この言葉を肝に銘じていきます。