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平均消費賃率を用いた消費賃金計算
直接工の消費賃金は、"支払賃率→支払賃金→消費賃率→消費賃金" の計算の順で消費賃率に就業時間をかけて求めると教科書に書いてありました。 消費賃率の中でも個別・総平均・職種別平均消費賃率の三種類あるとありました。 実務上職種別平均賃率を用いるとありましたが、 この三種類を実際使用すると消費賃金はどのように変化するのでしょうか? 具体的な例、具体的な数字で教えていただけませんか? 例えば、A1~A12の12人はA部門、B1~B6の6人はB部門など
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>具体的な例、具体的な数字で教えていただけませんか? ご質問の回答としては、ご期待に沿いかねるかもしれませんが。 「具体的な数字で」 というのは、こだわらなくてもいいと思っているため私が敢えてこの場では金額についての記述をしないでおこうと思うからです。結局数字は数字でしかなく、三種類の方法を比較する上ではあまり重要性がないからです。金額よりも、その計算方法が主眼を置いているポイントについて考えるほうがずっと意義があります。 個別平均賃率は、各工員の賃率に従って消費賃率を決定する方法です。この方法には欠点があります。それは、ベテランと若手とでは当然に賃率は異なり、彼らのうちのどちらによって製造されたかにより、賃率が大きく異なります。その結果として製品の原価に大きな開きが出てしまいます。つまり、同じ椅子であるにも拘らず一方は10000円で売られ一方は2万円で売られるということが起きてしまいます。 次に総平均法による消費賃率計算ですが、これによると作業の種類による付加価値の計算がうまくできません。 椅子を作るのに、木材を切る切削作業と組み立てる作業があったとします。このうち切削作業はかなりの技術を要し切削作業を行う工員には高い給料を払っていたとしましょう。この椅子を作る作業に従事する工員の消費賃率を総平均法で計算してしまうと組み立てと切削という二種類の作業の難しさとでもいいましょうか、コストのかかり具合がうまく反映されません。なぜなら、二つの作業の消費賃率をごっちゃにして考える方法が総平均法だからです。そうなってしまうと、「切削に2時間、組み立てに4時間かかった椅子」と「切削に5時間、組み立てに1時間かかった椅子」の原価は同じになってしまいます。これに基づいて販売価格を決定してしまうと、後者の椅子は割安感が好評で売れ行きは伸びますが赤字を増やし、前者の椅子は割高感により売れないということになり、企業の収益性を低下させる結果になりかねません。 職種別平均賃率ですが、これは上記の二種類の方法の弱点をうまく克服しているといえます。職種であるため、切削と組み立ての作業をごちゃ混ぜにしないため、製品の収益性を見誤る可能性は低く、またベテラン、若手といった作業者の違いによって製品の原価が大きく変わることもありません。 なお、ここでベテラン、若手なら当然の技術が異なるのだから、別々に把握したほうがより製品の原価を正確に計算できるではないかと思われるかもしれませんが、この場ではベテランには家族がいるため様々な手当が支給され、若手にはあまり手当が支給されていないとお考えいただければ納得していただけるのではないかと思います。それに、工員一人ひとり持つ技能には差があります。ここに把握し計算することは企業側から見て様々な理由により合理的ではないと判断されます。 このような長所短所については一般的に言われているものです。なんとなくでいいので、職種別平均賃率による計算が一番良さそうだなと感じていただければ幸いです。 因みに、これらは全て消費賃率の話です。支払い賃率に関してはやはり工員個々の経験の差や事情があるので個別に近い方法のほうが良いです。
お礼
growth-sharesさん、前回もご回答ありがとうございました。 とても分かりやすかったです。 職種別平均賃率が好ましい理由がよく分かりました!! 大変遅くなりましたが、ありがとうございました。