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神経繊維と細胞体について
灰白質に細胞体が多く、白質に神経繊維が多いと聞いたのですが、灰白質の細胞体は軸作などを持たず、先端の細胞体だけ存在しているのですか?そうすると、伝達ができないと思うのですが・・。それとも、「細胞体が多い」というのは「神経繊維が短い神経細胞が多い」ということで、「神経繊維が多い」というのは「神経繊維が長い神経細胞が多い」ということですか?
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神経細胞は、大まかに言えば、神経細胞体とそこから伸びる軸索(いわゆる「神経線維」)から成り立っています。従って、灰白質に存在する神経細胞体から伸びた軸索は当然白質に向かって進み、白質中を走って神経終末に至ります。この終末部は次の神経細胞へシナプスを作る場合には当然その神経細胞体のあるどこかの灰白質に至ります(もちろん標的器官が神経組織以外であれば、その受容器に付着します)。 そこで、質問の内容に関してですが、灰白質には神経細胞体があり、もちろんそこから出る軸索も存在します。ですが、全体的に見ると、神経細胞体の密度が多いために、肉眼的に神経線維束のみが走る白質に比して、色が幾分濃く見えるわけです(実際には「灰白色」ではなく、薄い茶褐色ですが)。白質中に存在する神経線維はその上流に当然どこかの灰白質に大元の神経細胞体がありますので、決して神経細胞体と軸索(神経線維)は別の細胞ではありません。 顕微鏡標本で観察した際に、なかなか上手く灰白質の神経細胞体から伸びた軸索がまっすぐその直下の白質に走っている像が観察できないのは、その標本を切り出す時に神経の走行に則して断面を出せなかった、あるいは顕微鏡標本を作製する時には標本を非常に薄く(5~100ミクロン)スライスしなければならないのですが、そのような断面ではなかなか神経細胞全体を観察するのは当然困難になります。 また余談ですが、白質には神経線維のみで細胞が全く存在しない訳ではありません。軸索を取り巻く髄鞘を作る稀突起細胞や免疫機能を司る小膠細胞、栄養などをはじめとする多くの機能を有する星状膠細胞などの「グリア細胞」が存在し、これらは灰白質にも存在しています。 総括すると、白質には神経の興奮を伝達する「神経細胞体」は存在せず、神経細胞の成分は神経線維(軸索)のみが存在します。この神経細胞体は灰白質に存在し、そこから出発した神経線維が白質中を走行しているのです。ですので、模式図などで神経細胞全体が描かれているものがあるとすれば、その軸索部分の後半が白質中に存在し、前半部分は灰白質に存在する訳ですが、厳密に言えば、次の神経細胞に週末が付着する時にはまたその終末部分は灰白質中に出現します。肉眼的に見ると、細胞体の密度が高いと着色したように観察され、これが灰白質と呼ばれるようになっている訳です。 こんな説明で分かったかどうかは分かりませんが、どうでしょう?
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ダイレクトな回答ではありませんが、以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか? 「大脳の組織学的構築」 ●http://sekizui.obi.ne.jp/sinkei.htm (中枢神経の細胞とその働き) ●http://www.dab.hi-ho.ne.jp/osaka-polionokai/kaihou/kihon.html (神経関係用語集) ●http://www.fujijuku.net/biollec/16.HTML (神経・神経系のはなし) 以前にも紹介してますが、 ◎http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=149544 この中で紹介した成書が判り易いと思いますので、近くの図書館・専門書店で探してみては如何でしょうか? ご参考まで。
お礼
こんにちは。 すいません、どのページ見ても同じような見たことのあるような説明ばかりで疑問の解決には至りませんでした。今までいろんな本見ましたが質問内容に関するの説明は書かれていませんでした。普通は疑問にならないところなんですかねぇ。本当にご紹介していただいた本に質問内容に関する説明が載っているのですか?神経細胞全般に関する質問ではないですよ。
お礼
こんにちは。お返事どうもありがとうございます。 大変丁寧な御説明で納得できました。 白質には神経の興奮を伝達する「神経細胞体」は存在しないんですね。 とても勉強になりました。今何度も読み返させていただいています。 ありがとうございました!!