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繊維芽細胞の生体内での役割について
繊維芽細胞は、生体内で具体的にどの部位に存在し、どのような働きをしているんでしょうか?
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noname#58991
回答No.1
20歳、医学生です。 線維芽細胞は主に結合組織に存在し、細胞外基質を分泌します。細胞外基質は線維と基質から成ります。線維は引っ張りに強い膠原線維(コラーゲン)と弾力のある弾性線維があります。基質はグリコサミノグリカンやプロテオグリカンなど水分に富む巨大蛋白で、線維の間に存在しクッションの役割を果たします。このように一般に結合組織は細胞、線維、基質から成り、その種類また割合によりさまざまな性状の組織を構築します。ここでは細胞を線維芽細胞に限り、またそれが主に分泌するI型コラーゲン、III型コラーゲンそしてその配列により分類して、構築する組織(つまり質問者様の言われる存在部位)を列挙します。 1.I型コラーゲン a.疎性結合組織(線維が疎ら) 皮下組織、体腔の中皮の下、血管外膜、腺の間質など b.密性結合組織(線維が密) ア.密規則性結合組織(線維が平行に並ぶ) 腱、靭帯、腱膜 イ.密不規則性結合組織(線維が交錯) 皮膚の真皮、神経の鞘そして脾臓、精巣、卵巣、腎臓、リンパ 節などの被膜 2.III型コラーゲン(細網線維ともいわれ網目状に並ぶ) 肝臓の類洞、脂肪組織、骨髄、リンパ節、脾臓、平滑筋、ランゲルハ ンス島などの構造の骨格を作る。 また、病理学的には線維芽細胞は皮膚が創傷された際に、増殖してコラーゲンを分泌することで肉芽(granulation)を形成し、治癒過程に大きく貢献します。
お礼
具体的な回答ありがとうございました。教科書には詳しく書いてなかったので、疑問が解決しました。