新疆ウィグル自治区は中国の最も西に位置しています。 面積は日本の約五倍、中国全土の六分の一を占めています。 この省は全土が砂漠で覆われており、不毛の地ですが、石油資源の宝庫です。
主産業は牧畜でイスラム教徒が大半を占めています。 民族はウィグル族、タジク族、カサフ続、ウズベック続、モンゴル族、キルギス族。 ここはかって『西域』といわれ『仏教文化』の華開いた地で、仏教遺跡が数多く残っています。
しかし、その後勃興したイスラム教の国々によって、遺跡は破壊されています。 特に石窟の仏教壁画には泥が塗られています。 仏像の目には霊が宿っていると解釈され、仏画の目の部分は削り取られています。
中国の中に存在するイスラム文化圏で、石油資源に恵まれた土地です。 ソ連から独立したイスラム教を国教とする国々とは密接な民族のアイデンティティーを持ち続けています。
年間を通して雨量は少なく、産業に乏しい僻地ですが、石油資源に恵まれた地域です。 この中央アジア・イスラム文化圏を、中国がどう平定していくのか成り行きが注目されています。
香港の実業家を始め、海外の華僑による資本投資と開発が進められています。 それはすべて資本主義的な産業の開発であり、社会主義とどう折り合いをつけていくのでしょうか。 とても難しい問題を抱えています。 大きな民族紛争に発展しかねない火種であるからです。
50にも達する少数民族を国内に持つ中華人民共和国です。 共産党の一党独裁を如何にして守るか、汲々としています。 北朝鮮の核開発をも止めさせるだけの威厳をも失って迷走中です。 経済的には大躍進を遂げていますが、共産党への求心力は低下しています。
中国政府は (1)資本主義的産業開発、 (2)イスラム文化圏の民族独立運動という二つの難題を同時に抱えているのです。
お礼
とても詳しく勉強になりました。自分なりにまとめてみたいと思います。ありがとうございました。