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会社の不当手続きによる税額変更に伴って発生する損害の請求
会社が掛けなければいけない社会保険をかけなかったために、確定申告の際の社会保険料控除額が本来あるべき金額より小さくなったとき、その損害分を会社に請求できるでしょうか?
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こんにちは。 ■社会保険 ・お勤めの方は、一定の要件を満たしている場合(2ヶ月以上勤務する場合)、勤務先で健康保険と年金に加入できることとなっています。 ・ところで、この場合の社会保険料の支払は労使折半ですから、あなたと勤務先が概ね半額程度ずつを負担することになります。 ■社会保険料控除 ・社会保険料控除は、あなたがお支払になった健康保険の保険料やや年金の掛け金が課税所得から控除され、その結果、所得税の支払額が減少します。 ・この際の控除には、会社が負担した金額は控除されません。 ----------- 以上から、 >会社が掛けなければいけない社会保険をかけなかったために、確定申告の際の社会保険料控除額が本来あるべき金額より小さくなったとき、その損害分を会社に請求できるでしょうか? ・確定申告の際の社会保険料控除の対象金額は、会社の負担額は関係がありませんので、そのことについては社会保険料控除とは関係がないことになります。 ・ただ、会社が保険を掛けない(正確には「保険料などの会社負担分を負担しない」)ということは、あなたは会社で保険などに加入できなかったと思われます。 ですから、国民健康保険や国民年金に加入されていたと思われますので(そうですよね?)、一般的には、会社で社会保険に加入されるより、健康保険料の支払額が多かったと思われますから、社会保険料控除の対象額は、むしろ会社で加入されている場合より多くなっていると思われます。 つまり「社会保険料控除額が本来あるべき金額より小さくなった」の逆で「本来あるべき金額より大きくなっている」と思われますから、社会保険料控除だけを考えますと、変な言い方になりますが「得をした」ことになります。 ---------- ■健康保険について ・お勤めの方の健康保険については、「健康保険法」に次のとおり定めがあります。 [健康保険法] (定義)第3条 この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。 1.船員保険の被保険者(船員保険法(昭和14年法律第73号)第19条ノ3の規定による被保険者を除く。) 2.臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(イに掲げる者にあっては1月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。) イ 日々雇い入れられる者 ロ 2月以内の期間を定めて使用される者 (中略) (資格取得の時期) 第35条 被保険者(任意継続被保険者を除く。以下この条から第38条までにおいて同じ。)は、適用事業所に使用されるに至った日若しくはその使用される事業所が適用事業所となった日又は第3条第1項ただし書の規定に該当しなくなった日から、被保険者の資格を取得する。 http://www.houko.com/00/01/T11/070.HTM ・つまり、先にも書きましたが、2ヶ月以上勤務される方(勤務先が健康保険法の「適用事業所」であることが前提です)については、勤務先での健康保険の加入資格を得ますので、あなたが2ヶ月以上勤務されているのでしたら、健康保険に加入させる義務があります。ただし、あなたが他の健康保険に加入できる場合は、あなたは加入しないことができます。 ・以上から問題になるケースは、あなたが加入をしたいのに加入させてもらえなかったというケースです。 ところで、「健康保険法」にも「罰則規定」があるのですが、従業員を保険に加入させなかった場合についての罰則の規定がありませんので、この法律で損害賠償を請求することは出来ないです。 ・ちなみに「適用事業所」とは 1.次に掲げる事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業 ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業 ハ 鉱物の採掘又は採取の事業 ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業 ホ 貨物又は旅客の運送の事業 ヘ 貨物積卸しの事業 ト 焼却、清掃又はとさつの事業 チ 物の販売又は配給の事業 リ 金融又は保険の事業 ヌ 物の保管又は賃貸の事業 ル 媒介周旋の事業 ヲ 集金、案内又は広告の事業 ワ 教育、研究又は調査の事業 カ 疾病の治療、助産その他医療の事業 ヨ 通信又は報道の事業 タ 社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める社会福祉事業及び更生保護事業法(平成7年法律第86号)に定める更生保護事業 2.前号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの (以上「健康保険法第3条」) ■ではどうすればよいか? ・個別法で損害賠償が出来ない場合は、民法に基づき「不法行為」として損害賠償請求することになります。 [民法] (不法行為による損害賠償) 第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html#1003000000005000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000 ・具体的には、 損害額を計算して、会社にその金額を請求する(いわゆる示談ですね)。 ↓ 拒否された場合 簡易裁判所に「調停」を申立て。 ↓ 成立しなかった場合 提訴(裁判ですね)する。 ということになります。 ・「調停」までは簡単に出来ます(弁護士に頼まなくても自分で出来るということです)が、「裁判」になると費用対効果を考えますと、現実的な対応ではないです(質問者さんもそこまでは考えられていないとは思いますが)。 ---------- ■まとめ ・税金(社会保険料控除)という観点では、損害という考え方はなじみません。 それと、そもそも、確定申告はあなたの収入について、所得税を清算する行為ですから、会社があなたに支払った金額が少なくなればなるほど税金も減ります。ですから、会社があなたについて支払うべき金額を支払わないと、かえって所得税額が減りますから、税金という観点からは、あなたに損害は発生することはないです。 ・あなたの社会保険料の負担が会社で加入された時より、自分で加入した時の金額が高い場合は、その差額は損害といえなくはないです。 この場合は、民法に定められている不法行為として損害賠償の請求は可能と思われます。 ・ただ、請求は出来ても、少なくとも「調停」まででまとまるように会社と交渉を進める必要があると思われます。「裁判」になるようですと、とても「割に合わない」と思われるからです。
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控除額は減っても、保険料を支払わなかった分、手取り額が増えていることになりますから、おっしゃるような損害はないですよね。 むしろ、社会保険(具体的な種類がわかりませんが)が支払われていなかったことによって直接的に生じる不都合に対して損害賠償請求すべきでしょう。