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1級の原価計算の勉強をしていて思ったのですが…
1級の原価計算を勉強していて思ったのですが… 特に意思決定会計のところで問題の解き方等 は大体分ったのですが… 実際…実務等で利用する時にどう活用してるのでしょうか?? 例えば問題にはいろいろな資料が既に用意されていますが… 実際にはこの資料自体を探す方がよっぽど大変だと思うのですが… あと計算で前提条件が結構ありますが… 現実では前提条件があると使えないと思うのですが…
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1級の試験としては、「試験」という性格上、様々な前提を用いて、設問を作成する必要がある事は理解されていると思います。 これに対し、実際の経営では、もちろんすべての事柄を完全に数値化することは不可能ですし、経営者の価値観等もその数値化の要因であったりと、現実では、意思決定会計は使用不能と判断されるのも無理はありません。 ここで、意思決定論に多大な貢献を果たした「サイモンの意思決定論」から、参考となる「価値前提・事実前提」をかいつまんで紹介します。 まず、意思決定には,価値と事実という二つの要因があるととらえます。価値とは、目的の設定を表し、企業においては経営理念などで共通の判断基準を持とうとする事です。また、事実とは、手段の決定を表し、過去からの事実の把握で判断基準を持とうとする事です。さらに、「価値」の判断基準は、人によってことなり、「事実」に基づく判断基準は事実の把握に限界がある。との理論です。 つまり、簿記などで、意思決定の材料とされるものは、「事実」を基礎としていますが、これの把握には、当然限界があり、それを補う為、限られた選択支のなかから、満足しうる成果を期待する為に「価値」を前提とする判断を行う【満足化原理】の理論の提唱です。 実際の経営でも、過去については、それなりの事実が貨幣額で測定できたとしても、未来となると、ある程度の前提を考慮しなければ、物事を判断する事すらままならず、その前提には、多くの経営幹部の価値観が影響を与えているのです。 このため、ご質問の「前提条件があると使えないと思う」という事に対する解答としては、「全ての事において、前提を定めるからこそ判断が可能である」との解答を送ります。 そもそも、会計学における「貨幣的測定」自体、万人の価値観の平均に基づいた測定額であって、私にとって100円の価値のものが、あなたにとって100円の価値があるとは、限らないのですが、大多数の人々が、100円であるとの「価値感」を持っている為、100円と測定するのであって、これも前提あってのことなのです。 特に、取得原価等、支出の事実があるものであれば、前提は必要ないのかもしれませんが、意思決定会計においては、前提こそが判断基準の背骨とも言えるでしょう。 100%の追求が不可能な「事実」の補完には、誰かの「価値感」が用いられており、これこそが、「前提」であるとするならば、それは実際の経営現場でも立派に通用していける理論です。「現実での前提条件」とは、経営幹部達の戦略そのものと言っても過言で無いかもしれません。 ご理解の参考にして頂けると幸いです。