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成年後見制度について知りたいです…
社会福祉法人が、認知症の疑いがある老人と施設利用契約をして、後に本当に認知症に罹患してる場合、その施設入所契約はどうなっちゃうんでしょうか?理由も含めて、詳しく知りたいです。
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認知症であるからといって、全ての契約行為が自動的に無効になることはありません。 契約のときに、契約を理解するだけの事理弁識能力、すなわち意思能力があったかどうか問題になります。意思能力があったとされれば契約は有効ですし、意思能力がなかったとされれば無効です。 施設に入所して食事や身の回りの世話をしてくれたことに対してお金を払うというのは、生きていくうえで基本的なことですから、それほど高度な事理弁識能力を必要とするような契約ではなく、自分から申込んだような場合、意思能力無しとして無効になることはまず無いと思います。ただ、入所に際して寄付をさせるとか、一方的に負担を強いるような契約は、裁判所の審査も厳しくなりますから、無効になる可能性もあります。あとは、なによりも、契約当時の、症状の重さです。 事理弁識能力になんらかの問題がある場合、契約のときに事理弁識能力があったかなかったか、事後的に判断するのでは、このように、契約関係が不安定になってしまうので、あらかじめ、一律に本人の行為能力を制限するものが、制限行為能力者の制度で、成年後見制度もそのうちの一つです。 成年被後見人であれば、契約当時の事理弁識能力は問題とならず、後見人が取消せば遡及的に無効、追認すれば有効となるので、早期に契約の有効無効が確定します。 成年被後見人となっていないのであれば、たとえ医学的に認知症と診断されたとしても、前述の原則どおり、個々の契約の時に、事理弁識能力があるのか(あったか)どうかを、慎重に判断していくしかないということになります。