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戦時中の金属回収のその後の工程
戦時中の金属回収のことです。集めた鉄の製品などはその後どんな作業の工程をしてあたらしい品になったのでしょうか。鉄の成分などひとつひとつ異なるでしょうが、簡単な設備で再製ができるものなのでしょうか。たとえばお寺の梵鐘をつかって砲弾を作るとなれば、どんな工程になりますか。
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金属製品はそれぞれの用途に合わせて配合を決められている事が多く種々雑多です。 戦時中の金属回収は金属資源の不足を補う為の窮余の策で、あらゆるものをかき集めました。 陶器製の手榴弾や地雷を真剣に量産するほど鉄は不足でした。 その為供出を受けても使用できない品種が多数あったと聞きます。 お寺の梵鐘は大抵青銅が多く熔解しても砲弾の材料にはなりません。 純鉄に近い鉄瓶や火鉢などは溶鉱炉で熔解して鉄の原料にしたと思います。 金や銀などの貴金属は溶解して金地金、銀地かねに変え財宝として使用しました。 従ってどうにも使用できなかった金属製品は放置され戦後に文化的記念品は持ち主に変換されました。
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- ewyr-05
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鉄の場合、 炭素、リン、硫黄などの成分が少し違うようですが、大きな性能の違いは無いです。 炭素は溶かすと消えてしまいます。(CO2) また、焼きナラシ工程などの製鉄テクニックで性能を均等化するらしいです。(成分を調整する) 元々、割れやすくなる硫黄成分が多い悪質な鉄が混ざっていて、 焼きならしをしないで、ただ単に溶かして型に入れ、製品にしたりすると、とんでもねー事になります。^_^; つまり、理論通りの良質なクズ鉄を回収すれば、良質な鉄が再生出来る訳です。 この為、アメリカからクズ鉄を輸入していました。 戦前は、合金鋼(特殊鋼)はとても少なかったようです。 スプリング鋼や、工具鋼などが混ざっていたら、加工自体が出来ません。加工した後のクズ鉄は安心して使えた訳です。 また、合金とは、 モリブデン、クロム、タングステン、珪素、ニッケル、バナジウム、コバルトなどを加えています。 特殊鋼と呼び、戦前はこう言った技術が乏しかったようです。 真鍮は現在でも古物屋では無く、銅として貴金属業の方が回収します。 かつては、電気やが仕事で残った銅線のクズを持って行けば1日十分飲めたらしいです。 銃弾の場合、外覆いは銅、内部は鉛です。 中にタングステンの芯鋼を入れた徹甲弾もありますが、鉄は軽いので使えません。 鋳型に流し込むと、もろい「鋳物(いもの)」になり、割れやすくなります。 叩く工程、プレス工程を経由して圧延材にします。 その後、焼き入れ強度を変えたりする工程などがあるらしいです。
お礼
精錬というのは「焼きナラシ工程」のことと考えていいのでしょうか。鉄に含まれる硫黄のこと、銅と鉛の銃弾のことは大変参考になりました。 詳しい回答をいただきありがとうございました。
- koon1600
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基本は鋳物と言う方式ですから、溶かして型にはめるだけです。この方法は日本では西洋式なものは明治期からですが、諸外国では昔からあります。というか、鐘なんかこれでつくるのですから、日本でもやはり昔から方法としてはあったのです(ただ、日本は鍛造のほうが進んでいたので、鋳造はそれほど比重が高くなかったのです)。ちなみに個人クラスでも可能な方法でして、4チャンネルのダッシュ村なんかこれで風呂釜を作っていましたね。 ただ、工業技術の面から日本は諸外国ほど鋳型で製造ができなかったため、使われる範囲はそれほど大きくなかったと考えます。 さて、梵鐘なのですが・・・砲弾にはなりませんし砲塔にもなりません。あれは青銅ですから。ルネサンスのころならはいざ知らず(あの時代、砲は青銅製が主)、青銅で弾丸なんか作ったところで、貫通力が低いため使い物になりません。重量も軽いですし。 問題は、こういった青銅や貴金属など、鉄よりも圧倒的に用途が限られているものが、どうなったかなのですが・・・青銅はまあ、結構使われていたようですが、寺の鐘なんかは結構戦後になって(形はどうであれ)戻ってきているものがあります。しかし、鐘のような大型のものはともかく、小さいレリーフみたいなのもあるのですが・・・これらは、どうも「ちょろまかした」可能性のあるものが結構あります。12チャンネルの某人気番組で、「戦時供出でだしたものらしい」なんていう由来の青銅製のものが案外でていたりします。なぜ流れたのかは・・・まあ、かかわっていた人が金目のものと言うことでもっていった可能性が高いのではないかと思われます(もしくは、溶かす順位を落として取っておいたか。それでも、供出者ではない個人にわたって個人が鑑定依頼出している時点で「いわくつき」なのは間違いないのですが)。
お礼
梵鐘は青銅で、鉄よりも用途が限られているということですね。そういえば、終戦後、側面に直径5センチほどの穴のあいた多くの梵鐘がゴロゴロ放置されていたという話を聞いたことがあります。 回答いただきありがとうございました。
遠縁にお寺さんがいます。 全てにあてはまるわけではないでしょうが、そちらから、聞いたお話をします。 お寺の鐘は、供出させられました。 鉄砲の弾になるということだったので、協力しました。 しかし、終戦後返ってきたのです。 鐘に含まれる鉄は、響きを主体としているための成分のため、鉄砲の弾としては、適さないのだそうです。 軍の目的は、民衆の危機意識をあおるため。だったそうです。 指輪などの貴金属も供出しましたが、これらは、鉄砲の弾はおろか、転売されたようです。 純度の高い鉄(鋤、くわなど)は、本当に溶かされて、弾になっていたと思われます。 ご住職から、じかに聞いた話です。
お礼
「鉄砲の弾になったのだ」という話をよく聞きますが、実際はこのようなことだったのでしょうね。説得力のある説明をいただきました。 回答いただきありがとうございました。
お礼
金属は用途によって配合が異なるのですから、再利用のためには、なにせ材料が種々雑多なものですから、それだけてまひまがかかることになると考えていいのですね。そうであれば純鉄に近いものはとりわけ貴重ということになりますね。 端的な回答をいただきありがとうございました。